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祝 リーグ優勝! ヴィッセル神戸の番記者が目に焼き付けた激戦の記憶

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ミヒャエル・スキッベ監督就任1年目の今シーズン、さっそく偉業を成し遂げたヴィッセル神戸。昨シーズンに続き、神戸新聞の井川朋宏記者に激動の4か月を振り返ってもらった。全20試合を現地取材した番記者が見た、筋書きのないドラマ。秋春制へと移行し、日本サッカー界にとって大きな転換点となる来シーズンへとつながる、チームの"もっといい未来"がはじまった。

Jリーグの秋春制移行に伴う特別大会、明治安田J1百年構想リーグで、ヴィッセル神戸が優勝を飾り、5つ目のタイトルを手にした。東西に分かれた地域リーグラウンドは西地区で11勝7敗(うちPK戦2勝4敗)の1位で通過。頂上決戦のプレーオフラウンドは、前年のリーグ覇者で東地区1位の鹿島アントラーズを2戦計5-2で撃破し、AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)の3大会連続出場を決めた。挫折と不振、負傷者続出を乗り越え、原点の強度と秩序を取り戻し、つかんだ唯一無二の戴冠だった。

新体制発足

2022年途中から指揮を執った吉田孝行監督は、リーグ連覇と天皇杯、計3つのタイトルをもたらした後に昨季限りで退任。3シーズンぶりに無冠に終わった昨季のホーム最終戦で、三木谷浩史会長は「バージョンアップが必要」と語った。

今季は、2シーズン連続でリーグ戦11得点を挙げた宮代大聖選手、昨季9得点のエリキ選手らが移籍したものの、MF郷家友太選手が4シーズンぶりにヴィッセル神戸に復帰し、DFジエゴ選手らも補強。そして、新たに指揮官として就任したのが、ドイツ1部の各クラブやドイツ代表コーチを経て、サンフレッチェ広島を4シーズン指揮したドイツ人のミヒャエル・スキッベ監督だった。

今シーズンより就任したミヒャエル・スキッベ監督。

1月の約2週間にわたる沖縄キャンプでは午前と午後の2部で練習量を増やし、例年より早いピッチで調整。今季は高強度の土台を継承しつつ、アグレッシブで攻撃的なサッカーを掲げて個々のプレーの自由度を広げ、1対1の強さ、後方からつなぐ意識を高めた。

2~12月の長丁場で38試合を戦う例年と比べ、今シーズンの特別大会は6月までに18試合とプレーオフ2試合という短期の戦いとなった。なかでも最大の変化は、28年ぶりとなるPK戦の導入だった。引き分けなら勝ち点1のところが、PK戦を制すれば勝ち点2、敗れても勝ち点1。勝ち負けがはっきりすることで、ファンが楽しめる要素が増えた。一方、運の要素も含まれるPK戦でヴィッセル神戸は2勝4敗だったものの、90分間で9つの勝利を重ねたことが西地区1位に結びついた。

アグレッシブなサッカーを目指し、キャンプでは例年より練習量を増やした。

快調な出足

開幕戦、ヴィッセル神戸は切り替えの速いサッカーで昨シーズンまでとの違いを示し、アウェイで京都サンガFCに1-1からPK勝ち。開幕5戦を4勝1敗と好スタートを切った。3月に武藤嘉紀選手が右足首を手術するなど、試合のたびにけが人が相次いだが、昨季途中加入した小松蓮選手が2月から3月にかけて3戦連続ゴール。本職はサイドバックながら、前線のウイングでも起用された永戸勝也選手も4月までに3得点を挙げるなど、負傷離脱した選手の穴を埋めた。

3月下旬から4月にかけていずれも複数得点を重ねて4連勝を飾り、ACLE前に8勝3敗(うちPK戦1勝2敗)。22得点10失点と攻守に圧倒し、2位に勝ち点6差をつけて首位を快走した。

4-1で勝利した4月5日のファジアーノ岡山戦。連勝で首位を快走し、勢いに乗った。

突きつけられた現実

今シーズン最も重視したのが、初制覇を狙ったACLEだ。サウジアラビアで集中開催されるファイナルズ直前の4月11日、名古屋グランパス戦では守備の要マテウス・トゥーレル選手とGK前川黛也選手が衝突。状態が危惧されたがともに出場を果たすと、準々決勝のアルサド(カタール)は1-3から追いついてPK戦勝ちを収めた。準決勝は、後に2連覇を決めたアルアハリ(サウジアラビア)に1-2で逆転負け。2020年と同じベスト4での敗退に、負傷明けながら2戦連発と意地を見せた武藤選手は涙した。

サウジアラビアでのACLEは今年も悔しい結果となった。

準々決勝のアルサド戦に続き、準決勝のアルアハリ戦でもゴールを決めた武藤嘉紀選手。

ゆったりとしたリズムから突如、カウンターや速攻で強力外国人が一発で仕留めてくる中東勢。大会後はその残像に苦しめられた。さらに4月末、中盤でバランスを取っていた扇原貴宏選手が右膝を手術し、長期離脱。再開したリーグ戦では、過密日程も相まって前線から奪う積極性が失われ、全体の高い位置が保てずに間延びし、強度が低下した。

5月2日、ガンバ大阪にリーグ戦で8季ぶりとなる5点差で大敗を喫し、5月10日にはファジアーノ岡山に0-3と完敗した。

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  • 神戸新聞記者
    井川朋宏

    1985年生まれ、神奈川県平塚市出身。2009年、神戸新聞社入社。2013~17年に運動部で陸上やバスケットボール、女子サッカーなどを担当。報道部などを経て2024年から運動部でヴィッセル神戸を担当し、2025年はヴィッセル神戸戦の国内全52試合、2026年もリーグ戦全20試合を取材した。

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