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大相撲の人気力士、時疾風が楽天イーグルスの試合に!? 宮城がつないだ異色の豪華クロススポーツモーメント

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6月12日、日本相撲協会とパ・リーグ6球団のスペシャルコラボレーションの一環として、宮城県栗原市出身の時疾風関が楽天モバイルパーク宮城でセレモニアルピッチを行った。今年は三月場所・五月場所と2場所連続で勝ち越しを決め、勢いに乗る現役大相撲力士の地元凱旋に楽天イーグルスのファンも歓喜。マウンド上で揺れる力士の髷(まげ)という、なかなかレアな光景が記憶に刻まれた。

マウンドに立つ威風堂々とした姿は、思わず土俵と見紛うほど。黒川史陽選手がキャッチャーを務めた。

——​​​​セレモニアルピッチお疲れ様でした。大声援の中での投球はいかがでしたか?

「楽天イーグルスのファンのみなさんがタオルを掲げてくれてうれしかったです。キャッチボールをするのは小学生以来ですが、投球の出来は悪くなかったと思います。地元の宮城でとてもいい機会をいただきました」

——​​​​故郷・宮城への想いは、やはり強いものがありますか?

「やはり特別です。地元の方の声援は大きな力になりますし、その存在があるからこそ大相撲でがんばれているのかなと感じます。今日も多くの方が応援に来てくださって、たくさんの声援をいただけてうれしかったですね」

——中学2年生のときに東日本大震災を経験されたとお聞きしました。東北出身者として、ご自身の活躍で東北の人たちを元気づけたいという想いもありますか?今年の春場所では、3月11日に白星を挙げられましたよね。

「被災した当時、幼心に相撲をもっとがんばろうという気持ちになったことを憶えています。自分の取組でたくさんの人を勇気づけたい、地元を盛り上げたいという気持ちを持ってここまで進んできました。いまも多くの方に応援をいただいているので、もっといい報告ができるように精進していきたいですね」

——​​​​syncSPORTS by Rakutenで大相撲に触れるのは今回がはじめてです。普段は大相撲に馴染みのない読者にその魅力を知ってもらうために、どんな言葉で伝えますか?

「大相撲は、相手を土俵に出すか、足の裏以外を地面に着けさせるかで勝敗が決まるわかりやすいルールです。勝ち負けもすぐに決まるので、飽きずに見ていただけるのではないかと思います。また、僕のような小さい力士が大きい力士を倒すところも醍醐味のひとつですから、そのワクワク感も楽しんでほしいですね。これまであまり大相撲に興味がなかった方も、僕のセレモニアルピッチを見て宮城県出身の力士もいるんだなと知ってもらえたと思うので、これをきっかけにぜひ大相撲も見てほしいです。多くの方に魅力が伝わるよう今後はもっとアピールしていきたいです」

——​​​​相撲、野球、サッカーなど。さまざまなスポーツに共通する魅力というのもあると思いますか?

「競い合う相手がいることで生まれる迫力だと思います。そして、その中で相手への敬意や感謝の心が自然と養われていくことも魅力ですね。相撲も礼にはじまり礼で終わります。僕自身もそこから礼節を重んじる大切さを学びました。強くなることだけがスポーツではありませんから。子どもの頃は挨拶ができなくて怒られたこともありましたが、それが成長へとつながりました」

——​​​​第一線で活躍を続けるには楽しいだけではなくつらいこともあると思います。ここまで相撲を続けてこれた要因とはどんなものですか?

「『また勝ちたい』という思いです。勝った相撲というのはやはり記憶に残るんですよね。その喜びを求めてどんどんのめりこんでいきました。負けたら負けたで、その悔しさをモチベーションにしていく。そうした日々がいまにつながっています」

——​​​​一瞬で勝負が決まる大相撲。土俵に上がる前は、どのようにして気持ちを整えているのでしょうか?

「四股ですね。体も温まり、体幹も鍛えられるので、取組前のトレーニングのひとつとして取り入れています。土俵に入る前にしっかり汗をかいて集中力を高めています」

——syncSPORTS by Rakutenでは「スポーツとともに、もっといい未来へ。A BETTER FUTURE TOGETHER」というテーマの下でいろいろな人たちにお話を聞いています。時疾風関がいま想像する「もっといい未来」とはどんなものですか?

「遠い未来のことはあまり考えないようにしているんです。取組の15日間に向けて稽古を重ねて、1日1日に全身全霊で向き合う。ケガをしないこと、そしてできるだけ長く土俵に立ち続けたい。そのために、目の前のことを丁寧に積み重ねていっています」

肩にかけているのは、大相撲と楽天イーグルスのコラボタオル。今回のために「イーグルス」を相撲字であしらった特別デザイン。

この日は、大相撲でお馴染みの呼出さんによる迫力満点の「一番太鼓」や、チーム名を力強く読み上げる「チーム名呼び上げ」も実施。楽天モバイルパーク宮城のグラウンドでのその姿は、土俵とはまた違う輝きがあった。野球場と相撲文化が交差したこの日、観戦の風景は少し変わったはず。次は大相撲の本場所で、彼を応援しに行くのもきっと楽しいだろう。

TEXT:Chiharu Abe

PHOTO:Ryotaro Moritani

EDIT:Yohsuke Watanabe, Shiori Saeki (IN FOCUS)

  • 大相撲
    時疾風秀喜

    1996年生まれ、宮城県栗原市出身。身長179.0cm、体重136.0kg。時津風部屋所属。8歳から相撲をはじめ、2019年の三月場所に「時栄」の四股名で初土俵を踏み、2023年の五月場所で十両に昇進した。

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