トップアスリートの愛用品Vol.6 – 岡田大河（バスケットボール）

インタビュー

Posted

2025.10.16

試合や競技で活躍するトップアスリートの姿に魅了されると、つい彼らの愛用品も気になってくる。何気ないアイテム選びに、ふと“らしさ”が垣間見えるから。それに、もしかすると圧巻のパフォーマンスを支えるヒントがそこにあるかもしれない。スペインやフランスなど、海外でも生活を送ってきた岡田大河選手は、普段どこに気を配り、どんなものを身に着けているのだろう。

ぱっと見はアスリートによくあるバッグの中身。けれど岡田選手の話を聞きながらもう一度見てみると、彼の持ち物から「1分1秒でも長く大好きなバスケを続けたい」という強い思いが伝わってくる。15歳で親元を離れ、海外への単身留学を決意した青年にとってなによりも耐え難いのは、不本意な怪我や体調不良でプレーに集中できなくなること。そのために、ボディケアへの高い意識を欠かさない。

「トレーニングの前後はもちろん、オフ日も必ずストレッチをしています。そのタイミングで、特に疲れが溜まりやすい足の裏などは入念にほぐすようにしていて、竹踏み以外にマッサージガンなどを使うことも多いです」

タンパク質やビタミンなど、必要な栄養素を補填するサプリも毎日欠かさずに飲み続けている。錠剤とパウダーの2タイプを使い分けていて、シェイカーが必要なパウダータイプは室内用、すぐに飲める錠剤タイプは室外用なのだそう。

「幼いころは遊びたい気持ちが強かったこともあり、ゲームソフトを欲しがった時期もありましたが、そういった物欲はいつの間にか小さくなっていきました。むしろ今は、新しいものを買うよりも、失くさないことや使い切ることを大切にしています。バスケシューズは履き潰れる手前まで、ボールはグリップが効かなくなるまで使い込みたいです」

（左から時計回りに）バックパック／NIKE、バスケットボール／MOLTEN × GYMRATS、バスケシューズ“KOBE 6”／NIIKE、アイマッサージ“3D アイマジックタッピング”／DOCTORAIR、バスケショーツ／GYMRATS、ヘッドホン／Bose、漫画“BE BLUES!~青になれ~ 44巻”、味付海苔“あわじ大江のり”、サプリ／SUN-CHLORELLA、サポーター“FILMSTA ANKLE”／ZAMST、木製青竹踏み／GYMRATS

ピックアップアイテム

幼いころから足首の捻挫に悩んでいた岡田選手。「これを着けていると安心感がまるで違います。怪我予防のためにも常に身に着けています」と、ザムストのサポーターを愛用中。

岡田選手の父であり、バスケットボールプレーヤーの岡田卓也さんが設立したチーム「SHIZUOKA GYMRATS」のバスケショーツ。小学生時期から馴染みがあるチームのアイテムは今でも身近な存在。

「遠征時に3ケースぐらい持っていくんですが、1週間も経たないうちに食べ切ってしまうほど大好きな味です」。この海苔は父・卓也さんの知人が毎回送ってくれる、岡田選手へのエール。

目の周りの筋肉を刺激してリフレッシュを促進するアイケアグッズ。「移動中に日本の映画やドラマを観るため、目が疲れたときによく使います。また、朝起きた後に使うと目がすっきりします」

バスケと真摯に向き合う岡田選手。そんな彼が息抜きにしているのは、空いたタイミングに楽しむ“ひとり時間”。日本の映画やドラマを観るのがマイブームで、遠征中は語学のインプットとリフレッシュを兼ねて、訪れる先で流行っている音楽を聴くようにしているのだそう。そして、漫画。持ち物の中にあるサッカー漫画『BE BLUES!~青になれ~』は、もう何度読み直したかわからないほどのバイブルだと話す。

「『BE BLUES!~青になれ~』の中でも特に好きなストーリーは44巻です。どんな内容かは、ぜひ読んでみてください（笑）。サッカーはモナコのチームメイトとも共通した趣味です。各々の好きなチームを一緒に応援しながら盛り上がったりしています」

岡田選手にとって普段の持ち物は、バスケのモチベーションにつながるものが中心。さらに読み解くなら、彼は見た目や利便性といったわかりやすい要素ではなく、バスケが紡ぐ“愛”を象った存在を心から大切にしていると言える。その愛に支えられながら、岡田選手はこれからも自らが信じる道を歩んでいく。

TEXT：Keisuke Honda
PHOTO：Teppei Hori
EDIT：Yohsuke Watanabe, Shiori Saeki (IN FOCUS)

バスケットボール

岡田大河

2004年生まれ。静岡県出身。2019年、15歳でスペインへ留学。2021年にスペイン4部リーグで日本人最年少プロデビュー。2023年にはU19日本代表としてワールドカップベスト8に貢献。同年、フランス1部ASモナコのU21チームに加入し、2年連続リーグ準優勝を達成。2024-25シーズンはリーグアシストトップ5、プレーオフではアシストランキング1位を獲得。2025年にはASモナコトップチームで日本人初のフランス1部リーグデビューと初得点を飾る。日本代表の司令塔候補として期待される若きポイントガード。先日、川崎ブレイブサンダースに2025-26シーズンの特別指定選手(プロ契約)として加入することが発表された。

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