トップアスリートの愛用品Vol.5 – 日髙光揮(サッカー)
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試合や競技で活躍するトップアスリートの姿に魅了されると、つい彼らの愛用品も気になってくる。何気ないアイテム選びに、ふと“らしさ”が垣間見えるから。それに、もしかすると圧巻のパフォーマンスを支えるヒントがそこにあるかもしれない。今回紹介するのは、ヴィッセル神戸の日髙光揮選手。Jリーグを制覇したチーム期待の若手が持つこだわりとは?
小柄ながらも球際で強さを発揮し、対人プレーでは果敢に相手選手へ向かっていく日髙光揮選手。しかし、迫力あるプレーとは裏腹に、普段の彼は落ち着き払っており、とても20歳とは思えない。“愛用品紹介”というテーマであることを伝えると「荷物を何も持たずに出かけることもよくあるんですけどね」と笑って答える。その理由を尋ねてみれば「身体が重くなるし、余計なものに縛られたくない。荷物を持つのって面倒じゃないですか(笑)」。泰然自若とは、このことか。自分の意見をストレートに伝えることができる。この堂々とした振る舞いで、個性的なメンバーが揃うチームでも親しまれているのだろう。
それでも愛用品には、強いこだわりを持っている。それは、できる限りコンパクトなアイテムを選ぶこと。ジャケットやパンツのポケット、あるいはポーチに入るサイズを選択するため、香水や財布なども小さめ。「ちょっとした外出ならポーチも持たない。荷物を持つと疲れるし、パフォーマンスにも影響が出てしまうんで」。単なるミニマリストではなく、アスリートとしての自覚が垣間見える。
またファッションは黒を基調としたものが多い。コーディネートするときに合わせやすいため、自然と黒色が増えていったという。そんなブラックコーデの中で一際輝いているのがゴールドのピアス。高校生の頃から身につけており、もはや体の一部となっている。
トレーナーおすすめのプロテインも日常生活で欠かせないアイテム。他のプロテインやサプリメント類は摂らないが、「このプロテインは僕に合っていると感じていて、飲むようになってからは身体のコンディションがよくなりました。サラッと飲むことができるので朝食代わりとしても助かっています」。日髙選手がこなすアンカーやサイドバックといったポジションは、相手選手との接触も多い。当たり負けしない強靭なフィジカルは不可欠となる。身体に取り入れるものにこだわる姿勢は、未来のヴィッセル神戸を背負うホープとして、頼もしい限りだった。
ピックアップアイテム
2024年シーズン、まず彼が目指すのはレギュラーの獲得となる。日髙選手が本業とするアンカーのポジションには、山口蛍選手や扇原貴宏選手などJリーグ屈指のプレーヤーがおり、その壁は果てしなく高い。ただそんな状況にも、一歩も引くつもりはない。
「昨年はスペインへのレンタル移籍を経験して、ハードワークの重要性や、年齢に関わらず要求し合う姿勢を学びました。ヴィッセル神戸で試合に出るのは簡単ではありませんが、負けたくないですし、チャレンジしたい。そのためにもフィジカルをもっと向上させて、サッカー中心の生活を送りたいと思っています」
ヴィッセル神戸が未来でも強いチームであり続けるためには、彼を中心とした若手選手たちの底上げが欠かせない。今シーズン、日髙選手はチャンスを掴むことができるだろうか。ピッチで躍動する姿を見られるのが待ち遠しい。
TEXT:Kodai Wada PHOTO:Yuki Nara EDIT:Yohsuke Watanabe(IN FOCUS)
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2003年生まれ。大阪府堺市出身。幼稚園に通っていた頃、祖母に「光揮は脚力があるからサッカー選手が良いかもね」と言われサッカーをはじめる。ガンバ大阪ジュニアユース、相生学院高校を経て、2022年からヴィッセル神戸に在籍。2022年、2023年にはスペイン4部への武者修行も経験した。球際の強さを武器に、相手チームの攻撃の芽をつむプレーが特徴的。