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スポーツ観戦の“もっといい未来”に向けて。ヴィッセル神戸が取り組む「サーキュラリティ評価」とは?

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ヴィッセル神戸が今年から本格的に導入する「サーキュラリティ評価」。聞きなれない言葉だが、スポーツ観戦と環境保全をつなぐ、とても大切な取り組みなのだ。楽しみながら、地球にも優しく。それをこれからのスタンダードにしていこう。

「スポーツとともに、もっといい未来へ。A BETTER FUTURE TOGETHER」というスローガンの下、「Sports for Everyone」と「Green for Future」という二つの活動指針で環境対策に取り組んでいる楽天グループ。スポーツを楽しむすべての人々が豊かな環境下で、観戦を自分らしく楽しみ、多様性を認め合う未来を目指している。

その一環として、ヴィッセル神戸では2024年からホーム戦にて「サーキュラリティ評価」の仕組みを導入。サステナブルなゲーム運営のため、本質的な問題解決に取り組んでいる。

「サーキュラリティ評価」とは、資材の調達先やごみの回収量、リサイクル先などをすべて可視化して公開すること。評価の基準は、調達された資源である「インフロー」と排出される資源である「アウトフロー」に分けて考えられる。

「インフロー」は、試合の運営に必要な資源のこと。水や電力、ガス、フードやグッズの資材などを指す。リユース・リサイクルで調達された資源や、再生可能な方法で作られた資源の場合は「サーキュラーインフロー率」が上がる。

「アウトフロー」は、使い終わった資源のこと。飲み終わったペットボトルや、可燃ごみなど、観客が自ら分別するものも含まれる。みんなが正しく分別をすることで「サーキュラーアウトフロー率」が上がる。

昨年実験的に行われたヴィッセル神戸のホーム戦3試合の結果は、インフロー率が61%、アウトフロー率が73%、全体の循環率が66%。この循環率を高くすることを目指している。

ごみの計測は「pool」というアプリケーションを使って行われる。

すべての資源やごみを調べて数値化するというのは、簡単にできることではない。作業を担当されているRECOTECHの大村さんに話を聞いた。どのような想いや目的で活動しているのか?

「ゲームを運営するうえで、どのぐらい環境負荷がかかっていて、どこを改善できるのか、全体を数字で測れるというのがサーキュラリティ評価を実施する1番の意義です。サーキュラリティ評価で状況を把握し根幹を作ることが、その他のアクションを効果的に実行するうえで重要になってくると思います」

ノエビアスタジアム神戸にて、取り組みについて丁寧に話してくれたRECOTECHの大村さん。

「また、ごみを収集する『ECO STATION by Rakuten』で分別を促してくれるスタッフは地元のコミュニティ。ボランティアで協力し、率先して進めてくれています。これはヴィッセル神戸が地域から愛されているチームだからこそ成り立つこと。そんなチームへの想いに応えられるよう、わたしたちにできることがあればやっていきたいです」

昨年実施時の「循環率66%」という数字について、その良し悪しは一概に言えないと大村さんは語る。

「世界的にも事例が少なく、ここがまだベンチマーク。今後、ヴィッセル神戸の試合で数年かけて比較していく必要があります。取り組みに賛同してくれる人が増えれば、スポンサーを増やしヴィッセル神戸の価値向上に繋げることや、他のスポーツイベントに取り入れることもできるかもしれません。これから積み上げていくもので、どれだけ改善していけるかが勝負です」

はじまったばかりのこの取り組み。まだまだ馴染みのない活動だけど、ファン1人ひとりの小さな心がけで、当たり前になる社会が来るはず。

私たちサポーターは、ごみの分別をすることでアウトフロー率を改善することができる。ひとつのチームになり、いまできることから協力していこう。

TEXT:Shiori Saeki (IN FOCUS) EDIT:Yohsuke Watanabe (IN FOCUS)

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