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山田海斗、濱﨑健斗、そして瀬口大翔。あらたな船出を迎えたヴィッセル神戸の帆を進める3選手

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2025年12月にミヒャエル・スキッベ監督を迎え、あらたなスタートを切ったヴィッセル神戸。そんなチームの中心を担っていくのは誰なのか。長年、番記者としてクラブを取材してきた日刊スポーツの永田淳さんが、注目の若手3選手をピックアップ。アカデミーから昇格し、トップチームで羽ばたく彼らの成長の先には、きっと輝かしいヴィッセル神戸の“いい未来”が待っている。

2月6日に今季の初戦を迎えてから、まもなく2カ月。シーズン移行に伴う特別大会・明治安田J1百年構想リーグとAFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)を並行して戦うヴィッセル神戸では、才能あふれる若武者たちが飛躍のチャンスをうかがっている。若手を積極起用するミヒャエル・スキッベ監督があらたに就任したこともあり、DF山田海斗(19)やMF濱﨑健斗(18)はシーズン早々からピッチで持ち味を発揮。昨年のU-17W杯で活躍したMF瀬口大翔(18)も、トップチームでの出番に備えて日々のトレーニングに取り組んでいる。3月に活動する世代別代表にも選出された3選手は、これからどんな成長を遂げるのか。近い将来、ヴィッセル神戸の中軸を担うと期待される3人に注目したい。

メジャーリーグサッカーでの経験を経て羽ばたく長身DF — 山田海斗

ヴィッセル神戸U-18から昇格して2年目の山田は、今季に入って出場機会を増やしている。192cmの長身DFは、2月17日にジョホール・ダルル・タクジムFC(マレーシア)と戦ったACLEで初先発し、同21日の清水エスパルス戦では途中出場で国内デビュー。同27日のアビスパ福岡戦ではリーグ初先発も果たし、3月22日のセレッソ大阪戦でも試合開始からピッチに立った。

「予想以上に(試合に)絡めている。アメリカで成長した自分のよさを、アピールしていきたい」

そう話す通り、米国での挑戦で一気に能力を伸ばした。プロ1年目の昨季は、クラブがパートナーシップを結んだ米国メジャーリーグサッカー(MLS)シアトル・サウンダーズのリザーブチームであるタコマ・ディファイアンスに期限付き移籍。MLSの育成リーグ「MLSネクスト・プロ」で25試合、カップ戦4試合に出場し、フィジカルの強い選手も多い中で実戦経験を積んだ。

ヴィッセル神戸に復帰した今季は、米国で1度だけ経験したというあらたなポジションに挑戦している。センターバックを本職としてきた山田が試されているのは、右サイドバック。スキッベ監督は「彼のことはセンターバック、サイドバックの両方として見ている。それにより出場の可能性は増えると思うし、実際にそうなった。彼が入った時にセットプレーの助けになるということも大きな要因のひとつ」と山田のサイドバック起用を説明。慣れないポジションでのデビューは「まったく想像していなかった」と本人も驚くものになったが、徐々にフィットしているように感じる。

途中出場した3月18日のガンバ大阪戦では、サイドチェンジをヘディングでつないで終了間際の同点ゴールにつなげる大仕事。「まだ自信がなくて消極的な部分があるけど、より自分の良さを出せるようにしていきたい」と、貪欲に結果を求めるようにもなった。

ヴィッセル神戸アカデミーの先輩である山川哲史が主将、佐々木大樹が副主将を務めるトップチームの中で、自身も彼らに続く存在となることを強く心に秘める。「アカデミー出身選手としてこのチームで結果を出していきたい」。2028年のロサンゼルス五輪を目指すU-21日本代表への定着も期待されるDFは、今季を飛躍の年とする。

背番号10を目指すレフティー — 濱﨑健斗

トップチームに所属する10代選手の中で、もっとも経験を重ねているのが濱﨑だ。これまで天皇杯やACLEも含めた公式戦17試合(3月22日時点)に出場し、繊細なボールタッチでのドリブルから繰り出すラストパスで抜群の存在感を放っている。3月18日のG大阪戦では、トップチームの公式戦では自身初となるアシストを記録した。

「素直に点が入った時はとてもうれしかったし、ああいう瞬間をもっと増やしていきたい」

記念すべき瞬間を喜ぶと同時に、より数字を残していくことへの意欲を口にした。

トップとU-18で並行してプレーした昨年は、U-18プレミアリーグWESTで12試合出場し、12得点3アシストと決定力の高さを証明。同世代では図抜けた力を示してきたレフティーは、今季Jの舞台でもその存在感を高めている。

徐々に技術の高さが相手にも知られるようになり、出場を重ねるごとに相手からのマークが厳しくなっているが、それすらも楽しみながらプレーを続けているのが頼もしいところだ。

「見てくれている人たちがワクワクしたり、うまい選手だなと覚えてもらえるような選手になりたい」

自身がボールを持った時にサポーターの声のトーンがあがることも感じているという18歳は、その期待に応えるプレーを見せていくことを約束する。

前任の吉田孝行監督から「技術とセンスはすごい」、今季就任したスキッベ監督から「常にゴールを考えたプレーができる選手」と絶賛される逸材の目標は、ヴィッセル神戸と日本代表で10番を背負うこと。「2+8=10」の意味を込めて28番を付ける今季は目指す姿に近づくシーズンとする覚悟で戦い、結果でチームに貢献するつもりだ。

「ひたむきに挑む」アタッカー — 瀬口大翔

濱﨑とヴィッセル神戸U-18の同学年で、今季トップ昇格を果たした瀬口は、高いテクニックを持つアタッカーだ。山田や濱﨑のようにトップチームでの出場機会は得られていないが、攻撃にアクセントを与えられる選手はそう遠くない時期に出番が与えられると期待される。

昨年2月に行われたACLE上海申花戦に17歳1カ月で出場し、トップチームでの公式戦最年少記録を更新。GKが退場したことで交代を余儀なくされ、わずか11分のトップデビューとなったが、クラブの歴史に名を刻んだ。

11月には世界の舞台でもインパクトを残した。カタールで行われたU-17W杯に出場し、6試合で2ゴール1アシストを記録。初戦のモロッコ戦であざやかなゴールを決めると、第3戦のポルトガル戦では左足ミドルで日本を勝利に導き、物怖じしない勝負強さを見せつけた。

同大会で日本を率いた廣山望監督は、「テクニックとサッカーセンスは抜群。プロの中での“尖り”はまだ足りないかもしれないけど、ここからのもうひと伸びが楽しみ」とそのポテンシャルを評価。「やさしいけど、いいメンタリティーをしている」と今後を期待される注目株だ。

同世代での戦いで好パフォーマンスを見せてきた瀬口だが、いまはプロの舞台で戦うための準備期間となっている。

「練習から守備強度が高くて、うまく自分がボールを持てなかったり、ドリブルで進めないことが多い。プレー中に時間の余裕がないと感じているのが現状」

高い技術を持つだけに、まずはトップレベルでのスピードと判断力を身に付けること。それを課題に取り組んでいる。2種登録されていたU-18時代から、FW宮代大聖やMF井出遥也を手本にしてきた18歳は、今年のキャンプでは新加入のMF乾貴士からターンの指南を受けるなど、成長意欲は強い。必勝祈願で絵馬に書いた「ひたむきに挑む」という文字通りの日々を過ごし、出番を待つ。

ヴィッセル神戸アカデミーが輩出した3選手は、いずれも将来的に海外で活躍することを見据えているが、そのためにもまず目指すべきは、ヴィッセル神戸で中心的な選手になること。若手にも多くのチャンスが与えられそうな今季は、彼らにとって大きなチャンス。与えられた出場機会で実力を示し続けることができれば、定位置獲得も可能なはずだ。

TEXT:Jun Nagata
EDIT:Satoru Komura (IN FOCUS)

  • 日刊スポーツ記者
    永田淳

    1980年生まれ。商社、フリーランスのサッカーライター、商社、外資系半導体メーカーでの勤務を経て、23年4月に日刊スポーツ新聞西日本に入社。ヴィッセル神戸をはじめ、関西のスポーツ取材を担当している。日本サッカー協会B級ライセンス保有。日本アンプティサッカー協会技術委員長。

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