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中井卓大の最新地点。成長を加速させたのは、意外な個人トレーナー?「もっと上に行けるし、もっと強くなれる」

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中井卓大選手がスペインへ渡ったのは10歳のときのこと。人生の半分以上をスペインで過ごし、そしていまも武者修行を続けている。前回の取材で「世界の舞台で活躍したい」と話していた中井選手は、自分の現在地をどのように捉えているのだろうか。日々の成長や周囲との関係性についても語ってもらった。

——syncSPORTS by Rakutenで前回取材させてもらってから1年半が経ちました。中井選手にとってはどんな時間でしたか?

「2シーズン前でしたね。昨シーズンはその時より試合にも出ることができて、またプレーしている感覚としても『もっと上に行けるな』という手応えがありました。ただ、その途中にケガをしてしまったので、そこがもったいなかったですね」

——ケガは残念でしたが、成長の確かな手応えがあったんですね。

「2024年にスペインであたらしい個人トレーナーの方をご紹介いただいて、その方といっしょにトレーニングをするようになったらプレーの質が非常に高くなりました。僕の課題を細かく分析したうえで、数ミリ単位のポジショニングや走り出しのタイミング、守備に関しても指導してもらっています。本当に細かいところまで厳しく指摘してもらっているので、日々学びや成長がありますね」

——今オフにはどんなトレーニングを行っていくのでしょうか?

「膝のケアが中心になると思います。まずはケガを治し、悪化しないようにしながら状態を戻していくようなトレーニングを考えています」

——膝をケガしたことで変化はありましたか?

「メンタル的には強くなったと思いますし、トレーニングの方法も変えたので自分にとってプラスの時間にできたと感じています。また食事やサプリメントなどにも気を使うようになりました。よい食事・よい睡眠がとれると、身体だけではなく精神的にも落ち着いていられます。自分のパフォーマンスに直結する部分なので、サッカーに対してより高い意識で臨むことができるようになりました。昨シーズンは試合に出ることができて、『自分がもっとやれる、強くなれる』という自信になりましたし、ケガをしたことで自分を見つめ直す時間にもなりました。大きく成長できた1年だと感じています」

——その一方で、課題に感じたことはありましたか?

「体力や持久力ですね。90分走り続けて、なおかつ次の試合でも同じパフォーマンスを出せるくらいの余裕がほしいです。いまはまだ、フル出場をするといっぱいいっぱいになってしまうので、体力づくりが課題です。最近は水泳にも取り組むようになりました」

——長くスペインで生活されていますが、試合前のルーティンなどはありますか?

「試合前日の夜はカレーと決めていて、ゲン担ぎをしています。あとは眉毛と顔の毛を剃って整えるとか、爪を切るとか。めっちゃ細かいですよね(笑)」

——身近な人から言われたことで、印象に残っている言葉はありますか?

「監督からは『もっと休め、もっと遊べ』と言われました。トレーニング以外のところではしっかり休んでリフレッシュすることも、サッカー選手にとって大事です。それがサッカーのパフォーマンスにもつながるという考え方ですね。またこの一年で、これまで以上にコミュニケーションをとるようになりました。自分から監督に話しかけに行って信頼関係が築けましたし、チームメイトともよくご飯に行くようになりました」

——ご家族ともよく連絡を取っているそうですが、お父さんとはどんなことを話していますか?

「家族とは毎日電話しているんですが、お父さんとはサッカーの話ばかりですね。本当に厳しいんですよ。ケガしたときは『オレの楽しみ返してくれよ。週末やることないじゃん』って言われました。『いや、俺のほうが悔しいわ!』って思いましたけど(笑)。よかったときはきちんと褒めてくれますし、よくないときは一番厳しく接してくれます。本当にありがたい存在ですね」

——syncSPORTS by Rakutenでは「スポーツとともに、もっといい未来へ。A BETTER FUTURE TOGETHER」というテーマの下でいろいろな人たちにお話を聞いています。中井選手がいま想像する「もっといい未来」とはどんなものですか?

「自分のプレーを観て楽しんでくれる人を増やしたいと思っています。スペインへ旅立つ前に、ひとりの先生から『人に好かれる人になりなさい』という言葉をもらって、いまでも心に残っています。プレーもそうですし、人間性も含めて、応援される人になりなさいという意味だと捉えています。自分のプレーを観た人が笑顔になったり幸せになれるような選手を目指しています。サッカーの成績で言えば、日本代表に選ばれることも小さい頃からの夢ですし、UEFAチャンピオンズリーグで活躍することも思い描いています」

——最後の質問です。ずばり、日々プレーしていて感じるサッカーの魅力とは?

「まずは純粋に楽しいですよ。その上で、コミュニケーション能力が高まるのもよい面だと思います。サッカーはチームスポーツなので、仲間と連携しないことにはよい成績は残せません。選手として、そしてチームとして、より強くよりうまくなるためにはいかによいコミュニケーションをとれるか。サッカーを楽しみながら、上を目指していく中で自然とその能力が高まっていくんです。僕はサッカー以外の仕事に就いたことはありませんが、きっと社会で役立てられるスキルだと思います」

スポーツ選手にとってケガはつきもの。しかしながら悪いことばかりではない。自分を見つめ直し、成長を促すきっかけにもなる。昨シーズン手応えを感じていた中井選手はきっと、ケガを経てまた強くなって戻ってきてくれるはず。観客を魅了する芸術的なプレーを今シーズンも見せてくれることだろう。

TEXT:Kodai Wada

PHOTO:Suguru Tanaka

EDIT:Yohsuke Watanabe (IN FOCUS)

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