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【国際女性デー特集 3/3】スポーツ業界で輝く女性たち – シンガポールから世界中の現場へ——スポーツ関連のブランド戦略を手がけるリタ・チアさんがつなぐ、ファンとの「感情の絆」

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3月8日の国際女性デーにちなんで、楽天グループのスポーツ事業で活躍する女性たちを紹介する本連載。最後は、シンガポールを拠点に楽天グループのブランドエンハスメント部グローバルスポーツ&エンターテイメント課でシニアマネージャーを務めるリタ・チアさん。テニスの国別対抗戦『Davis Cup by Rakuten』ではヨーロッパ各地でファン向けイベントの戦略立案と実行を統括し、現在は台湾のプロ野球チーム「楽天モンキーズ」などのブランド戦略を手がける彼女に、スポーツビジネスの本質と子育てとの両立について聞いた。

女性の社会的・経済的な功績をたたえ、ジェンダー平等について考える国際女性デーにちなんだ本連載。リタさんの話を聞くほどに見えてきたのは、『スポーツは機能ではなく感情でつながるもの』という信念で世界のスポーツファンと向き合ってきた、ぶれないプロフェッショナルの姿だった。PRからキャリアをスタートし、楽天グループでスポーツ&エンターテイメントの世界へ転身。シンガポールから世界の現場を飛び回るリタさんの言葉をお届けする。

PRからスポーツ&エンターテイメントの世界へ

——まず、いまのお仕事について教えてください。

「楽天グループのブランドエンハスメント部グローバルスポーツ&エンターテイメント課で、シニアマネージャーとしてチームを統括しています。チームのビジョンやミッションを定め、注力市場の戦略と実行計画を策定し、メンバーを指導しながら形にしていくのが主な役割です。2023年からは台湾市場に注力し、楽天グループが所有するプロ野球チーム『楽天モンキーズ』とともに、台湾楽天市場や楽天Koboといったサービスのブランド認知向上に取り組んでいます」

——楽天グループに入社したきっかけと、これまでのキャリアを教えてください。

「キャリアのスタートはPRエージェンシーでした。インハウスに移りたいと考えていたところ、楽天グループでグローバルコンシューマーPRのポジションに出会い、2013年に入社しました。転機は2017年で、部署がスポーツ&エンターテイメントのパートナーシップ施策を担う部門に生まれ変わったんです。ちょうど、FCバルセロナやゴールデンステイト・ウォリアーズとの提携が発表されたタイミングでした。PR以外で最初に手がけたのは、楽天グループがスポンサーを務めたシャキーラのワールドツアーで、北米とヨーロッパの公演に合わせた当社のプロモーション施策を管理しました。その後に、楽天グループが冠スポンサーとなったテニスの国別対抗戦『Davis Cup by Rakuten』にて、ヨーロッパ各地の会場で開催したファン向けイベントの戦略立案と実行を統括することになります」

——スポーツに関わってよかったと感じるエピソードを教えてください。

「Davis Cupでの出来事が思い出深いです。ヨーロッパのスポーツファンといっしょにイベントを計画・実行したのははじめての経験でした。このとき、文化はまったく違うのに、スポーツを楽しむときの感情は同じだと気づいたんです。国籍を超えて会話が生まれ、経験を分かち合える。あのプロジェクトがなければ、グローバル規模で仕事をする機会は得られなかったと思います。ちなみに、息子の学校のプロジェクトで仕事を説明したとき、シャキーラやメッシと撮った写真を見せたら『ママ、クールじゃん』と言われました(笑)」

「Davis Cup by Rakuten」はイタリア、イギリス、ドイツ、スペインなどヨーロッパ各地で開催された。 ※本人提供

『取引』ではなく『感情』でつながる

——楽天グループのなかで、スポーツビジネスはどんな役割を担っていると思いますか?

「Eコマースやモバイルといったサービスは、日常に欠かせない『機能』として人々とつながっています。一方でスポーツは、日常に必ずしも必要ではないけれど、わたしたちは自分の意思でスポーツと関わることを選びます。そこには『感情のつながり』がある。楽天グループがファンの旅路に寄り添い、喜びも悔しさもいっしょに分かち合えたなら、それは取引ではなく感情でつながった、本当の意味での楽天ファンが生まれるということ。それがスポーツの力だと信じています」

——この業界で女性として働くなかで感じることはありますか?

「正直に言うと、『女性だから』ということを意識したことはほとんどありません。わたしのキャリアは、いわば『ジェンダーブラインド』でした。ただ、わたしたちが扱うスポーツアセットは男性寄りの層に響きやすい一方で、楽天グループのサービスは女性も重要なターゲットです。『スポーツが好きではない女性にも、スポーツを通じてアプローチする方法はあるか?』という問いを立てられる。たとえば台湾では、バスケットボール選手の夫妻に赤ちゃんが生まれたタイミングで、台湾楽天市場のベビー用品を訴求するキャンペーンを展開しました。選手だけでなく家族を巻き込むことで、スポーツに関心がなかった層にもリーチできた。こうした視点は、この仕事ならではだと感じています」

「Davis Cup by Rakuten」の会場にて記念撮影するリタさん。 ※本人提供

——ご自身のワークライフバランスについてはいかがですか?

「わたしの場合は、周囲の協力体制に恵まれています。夫がとても協力的で、両親も近くに住んでいるので身の回りのことを手伝ってくれる。そのおかげで仕事を続けてこられました。実は、2人の子どもたちが小さかった頃は、海外出張がとにかく大変だったんです。日曜の夜にシンガポールからヨーロッパに飛んで、現地の朝6時に着いたらすぐに仕事。会議を詰め込んで、できるだけ早く帰れるようにしていました。振り返ると、あの頃どうやって乗り切っていたのか自分でも不思議です。でも同じような状況のお母さんたちに伝えたいのは、その場に立つまで、自分のなかにどれだけの力があるか本当にわからないということ。いまはフレックスタイム制のおかげで、仕事と生活のバランスはずっと取りやすくなりました」

——最後に、将来の目標を教えてください。

「会社、ファン、チームメンバー。この3つの面で意味のある影響を残したいと思っています。これからこの世界に入ってくる方には、目標を持ちつつも固執しすぎないでほしい。わたし自身、ずっとPRの道を歩むと思っていたのに、いつの間にかスポンサーシップマネジメントに変わり、やってみたらPRよりずっと好きになりました。思い通りにいかないこともときにはありますが、そのなかにこそ、いちばんいい道が隠れていることもあるんです」

PRからスポーツの世界へ。「スポーツは感情でつながるもの」——リタさんのその言葉には、シンガポールから世界の現場を飛び回ってきた実感がこもっている。文化も言葉も違う場所で、それでも同じ瞬間に声を上げ、同じ感情を分かち合える。スポーツが持つその力を、彼女はこれからも信じ続ける。

TEXT:Nariko Inoue
EDIT:Yohsuke Watanabe, Shiori Saeki (IN FOCUS)

  • 楽天グループ株式会社
    リタ・チア(Rita Chia)

    グローバルスポーツ&エンターテイメント課 シニアマネージャー。シンガポール出身。PRエージェンシーでキャリアをスタートし、2013年に楽天グループのグローバルマーケティング室に入社。2017年の組織改編にともないパートナーシップアクティベーションチーム(現・ブランドエンハスメント部 グローバルスポーツ&エンターテイメント課)の一員となり、数々の国際プロジェクトに携わる。現在は、台湾の楽天モンキーズをはじめとするスポーツプラットフォームを軸としたブランドアクティベーション戦略を統括している。2児の母。

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