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リーグ優勝を支えた鉄壁DF。ヴィッセル神戸 マテウス・トゥーレルが語る「サッカーを愛し続ける理由」

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明治安田J1百年構想リーグで優勝を果たしたヴィッセル神戸。その躍進を支えたのが、最終ラインで体を張り続けたマテウス・トゥーレル選手だ。頭部負傷による緊急搬送というアクシデントに見舞われながらも、チームのために戦い続けた姿は、多くのファン・サポーターの記憶に残っている。サッカーを愛し、仲間を信じ、目の前の一試合に全力を注ぐ。リスクを背負いながらも、勇敢に戦い続けるトゥーレル選手のサッカー哲学が、ヴィッセル神戸のもっといい未来をつくる。

※この取材は2026年6月3日に行われたものです。

6月6日の試合終了後のセレモニーでは、揃いのチャンピオンマフラーを首にかけ、2年ぶりとなる優勝の喜びを仲間と分かち合った。

6月6日に行われた明治安田J1百年構想リーグ・プレーオフラウンドの第2戦。鹿島アントラーズと対戦したヴィッセル神戸は、この日は0-2で敗れたものの、2試合の合計スコア(5-2)で勝利を収め、王者に輝いた。トゥーレル選手は第1戦で右脚を負傷した影響で、残念ながら出場できなかったものの、シーズンを通してハイパフォーマンスを披露。優勝の立役者のひとりと言っていいだろう。屈強なフィジカルで相手攻撃陣をはじき返し、セットプレーでは高さを活かしてゴールを奪う。チームのために戦い続ける存在は、まさにヴィッセル神戸の屋台骨だった。

そんなトゥーレル選手の闘志を象徴するのが、4月11日に行われた第10節・名古屋グランパス戦。頭部負傷で救急車で緊急搬送される事態となり、誰もがその容体を心配するなか、わずか5日後、サウジアラビアで行われたアジアチャンピオンズリーグエリート(ACLE)の準々決勝に先発出場する。90分間のプレーで、チームのベスト4進出に大きく貢献しただけでなく、勝利を目指して果敢に挑む姿は、多くのファン・サポーターの心を打った。

明治安田J1百年構想リーグの地域リーグラウンドベストイレブン(WEST)に選出され、チーム内でシーズンを通して最もチームに貢献した選手へ贈られる「三木谷良一賞」も受賞。いまやヴィッセル神戸、そしてJリーグを代表する選手へと成長したトゥーレル選手。今シーズンを振り返ってもらうとともに、サッカーへの想いを聞くと、そこから見えてきたのは、ただひたすらに競技と向き合う真摯な姿勢と尽きることのないサッカーへの愛だった。

今シーズンは17試合に出場。守備の柱として活躍したほか、2得点をあげた。

「僕の体の97%はサッカーで構成されている」

——今シーズンを振り返ってみて、いかがでしたか?

「まずはチームがここまでの結果を出すことができ、本当に嬉しく思っています。第10節の名古屋グランパス戦で頭部を負傷してしまい、厳しい状況に陥ったこともありましたが、スタッフやチームメイトが力を貸してくれたおかげで、すぐに回復してピッチに立つことができました。仲間たちにとても感謝しています」

——ベストイレブンや三木谷良一賞にも選出されましたね。

「総じてよいシーズンだったと思いますし、貢献もできたと思います。ただ、シーズン終盤にケガをしてしまい、大事な時期にチームの戦力となることができませんでした。またACLEもあと一歩のところでタイトルを逃してしまい、悔しい思いをしました。よい時期も苦しい時期もあり、非常にタフなシーズンだったと感じています」

ヴィッセル神戸内でシーズンを通して最もチームに貢献した選手へ贈られる「三木谷良一賞」も受賞した。

——今シーズンからミヒャエル・スキッベ監督が就任しました。チームに変化はありましたか?

「彼はとても経験豊富な監督です。オープンな性格なので選手の意見に耳を傾けながら、選手たちといっしょに成長してくれます。タカさん(吉田孝行前監督)も素晴らしい監督でしたが、タイプが異なる素敵な監督と巡り会うことができ、とてもうれしいです。よいチームになったと感じますし、ヴィッセル神戸はこれからもっと強くなると思います」

——サッカーをするうえでは、常にケガのリスクを抱えていると思いますが、どんなことを心がけながらプレーしていますか?

「確かにケガのリスクは常にあります。しかし、恐れずに全力でプレーすることが僕の仕事ですし、果敢に立ち向かわなければいけない場面は迷わず挑むしかありません。ネガティブなことは考えずに、ポジティブな考えを持ってピッチに立つようにしています」

——ケガのリスクがありながらも、それだけサッカーに一生懸命になれるのはなぜですか?

「サッカーが好きだからだと思います。僕の体の97%はサッカーで構成されていると思っています(笑)。とにかく楽しいし、とにかく勝ちたい。その気持ちは子どものときから変わりません。毎日クラブハウスに行くのが楽しみで、チームメイトたちに会えるのがとてもうれしいんです。練習が終わってみんなで笑い合う時間も、試合に勝って喜びに浸る時間も大好きです。だから厳しいトレーニングでも、苦しい試合にも耐えられるのだと思います。また、僕は4歳の頃に父の影響でサッカーをはじめましたが、家族は『サッカー選手になる』という僕の夢を全員で支え、いまも応援してくれています。そんな家族の存在も、サッカーをがんばれる理由のひとつです」

「会えるのがとてもうれしい」という仲間との練習では、自然と笑顔がこぼれる。

——2026年の3月には、「Vissel Performance Center(VPC)」が完成しました。パフォーマンスは向上していますか?

「素晴らしい施設だと感じています。フィジカル面で選手たちの状態は上がったと思いますし、この先、さらにほかのチームとの違いが出てくるはずです。ヨーロッパのクラブのようなハイクオリティな施設を用意してくれて、チームには本当に感謝しかありません」

※VPCについての取材記事はこちら

——サッカー選手を目指す子どもたちへのアドバイスと、今後のご自身の目標を教えてください。

「まずはサッカーを楽しむこと、好きになることが大事だと思います。そして、身近に自分よりもうまい選手がいたら真似をしてみて、追いつけるように努力する。簡単なことではないですが、あきらめずに取り組んでいれば夢に近づけると思います。今後の僕の目標ですが、あまり長期的なことは考えない性格です。目の前の一試合一試合を大切に、勝っていきたい。そしてチームとしては、悲願のアジアチャンピオンになりたいです」

あふれるサッカー愛を語ってくれたトゥーレル選手。神戸の街をとても気に入っており、ハーバーランドや三宮周辺にはよく足を運ぶという。チームのみならず街全体を大好きだと話すその神戸への愛着も、ピッチでの躍動を支える原動力のひとつなのかもしれない。次に狙うのはアジアのタイトル。トゥーレル選手、そしてヴィッセル神戸の挑戦は、まだ続いていく。

INTERVIEW & TEXT : Kodai Wada
EDIT : Satoru Komura (IN FOCUS)

  • ヴィッセル神戸
    マテウス・トゥーレル

    1999年3月10日生まれ。ブラジル出身のDF。CRフラメンゴ下部組織で育ち、2021年にヴィッセル神戸へ加入。屈強なフィジカルと対人守備の強さ、高い空中戦能力を武器に、最終ラインの中心としてチームを支えている。

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