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勝ち上がった遅咲きのストライカー。ヴィッセル神戸 小松蓮が狙う頂点とその先

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日本代表や海外クラブ経験者が揃うヴィッセル神戸の中で、小松蓮選手の経歴は少し異なる。アンダー世代での代表経験はあるものの、2025年にヴィッセル神戸へ加入するまではJ1での出場経験はなかった。それでも2026年のJ1百年構想リーグでは、開幕直後からゴールを連発するなど大きな爆発力を見せている。努力を武器に突き進む遅咲きのストライカーに、サッカーへの想いや、ヴィッセル神戸で叶えたい夢について聞いた。

——2025年7月にヴィッセル神戸へ加入するまではJ2、J3でプレーしていましたが、J1でプレーしてどのようなことを感じましたか?

「J1はプレースピードが速く、瞬時の判断と高いクオリティが求められました。頭で分かってはいても最初は体が追いつかず、加入当初は大きな壁を感じました。さらにヴィッセル神戸はJ1でもトップクラスのクラブ。練習からかなりハードに取り組むので、尚更そう感じたんだと思います。本当に毎日の練習が大変で、ついていくのがやっとの状態だったのですが、トレーニング量を増やして環境にも慣れることで、シーズンに入ってから徐々に結果が出せるようになりました」

——今シーズンは4戦目でJ1初ゴールを記録するなど結果が出ていますね。自分ではどのような部分が成長したと思いますか?

「まず自分のフィジカル、メンタルの状態が非常によくなりました。いつどんな場面で出番が来たとしても、しっかりと自分のプレーができるように準備していますし、結果を出す自信もつきました。そのあたりがこれまでより成長したポイントだと思います」

——チームの勝利のために、小松選手自身はどんなプレーで貢献したいですか?

「フォワードというポジションでプレーしている以上、ゴールに強くこだわっていきたいです。やっぱりフォワードは点が取れなければ、ほかでどれだけいいプレーを見せても評価されにくい。逆に言えばほかのプレーがダメでも1点をもぎ取れば、それだけで称賛を浴びるポジションですから、ピッチに立ったら必ず点を取りたいですし、それが僕が最もチームに貢献できる方法だと思っています。自分の特徴である空中戦でのヘディングや、相手ディフェンダーに積極的にプレッシャーをかけるプレーももっと出していきたい。同じポジションのサコくん(大迫勇也選手)と比較されることも多いですが、僕なりの強みを発揮して結果を出したいですね」

——多くの壁を経験してきた小松選手ですが、壁にぶつかったときはどう乗り越えてきましたか?

「J1の壁を感じたり、点が取れなかったりと、さまざまな壁がありましたが、そんな時はとにかくトレーニング量でカバーしてきました。子どもの頃から誰よりも練習している自信はあったので、『これだけ練習しているのだから、必ず結果が出る』と自分を信じてきた。また、同時に『いまの自分にはどのような強みがあって、どんな能力が足りないのか』を常に考えていました。結果が出ていないことに対して、冷静に向き合ってひたすら努力すること。それだけを続けてきました」

——サッカー選手を目指す子どもたちに向けて、どんなことを伝えたいですか?

「やっぱりサッカーが好きという気持ちを持ち続けてほしいですね。僕の子どもの頃を振り返ってみると、いつも早くグラウンドに出てボールを蹴りたくてずっとウズウズしていましたし、暇さえあればリフティングをしていました。当時の感情は、いまでも持ち続けています。サッカー選手になりたいという夢が見つかったのなら、そこに向かって情熱を注いでいくだけです。がんばってほしいですね」

——小松選手がヴィッセル神戸で成し遂げたいことはなんでしょうか?

「シンプルに優勝することですね。Jリーグもアジアチャンピオンズリーグ(ACL)も獲りたい。人生で日本一やアジアチャンピオンになるチャンスなんて、ほとんどないじゃないですか。でも、このチームでなら成し遂げられる可能性がある。王者の景色がどんなものなのか、純粋に見てみたいです」

——これからどんな選手になっていきたいと思いますか?

「僕のこれまでのキャリアは、決して順風満帆と言えるものではなかったと思います。なかなかJ1の舞台に立つことができなかったですし、思い通りにいかないこともありました。でも自分が戦う姿や歩んできた道のりを見てもらうことで、誰かに影響を与えることはできるんじゃないかと思っています。たとえば夢をあきらめそうになっている子どもたちが僕のプレーを見て、『自分にもできるかもしれない』と思ってくれたらうれしい。そうやって憧れてもらうためにも、少しでも活躍して有名になりたいですね」

ヴィッセル神戸加入当初は、J1のプレースピードに苦戦しながらも、一歩ずつその壁を乗り越えてきた小松選手。2026年は待望のJ1初得点も記録し、ストライカーとして確かな存在感を示しはじめている。熾烈な戦いの中で、彼のゴールは大きな武器になるはずだ。遅咲きのストライカーが、この先どんな景色を見せてくれるのか。今後の活躍から目が離せない。

TEXT:Kodai Wada
INTERVIEW & EDIT:Satoru Komura (IN FOCUS)

  • ヴィッセル神戸
    小松蓮

    1998年9月10日生まれ、東京都出身のFW。27歳。下部組織から所属していた松本山雅FCでデビューし、ツエーゲン金沢、レノファ山口FC、ブラウブリッツ秋田などJ2・J3クラブで経験を積んだ“叩き上げ”のストライカー。183cmの高さと左足の決定力を武器に、2025年にヴィッセル神戸へ加入。泥臭くゴールを狙うプレースタイルで存在感を高めている。

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