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「僕をきっかけに野球を始めてほしい」楽天イーグルス中島大輔が描く野球の“いい未来”

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昨年は自身初の規定打席に到達し、打率.266、チーム2位の22盗塁をマークした中島大輔選手は、俊足巧打とさわやかなルックスでファンからの人気も急上昇中。レギュラー定着へ大事なシーズンとなるプロ3年目の2026年は、どんな進化を見せるのか。レギュラー争いへの覚悟、スタジアムで味わう野球観戦の魅力、そして次世代へつなぎたいものとは――。多くの支えを力に変えながら歩んできた24歳が、未来への想いを語ってくれた。

――昨シーズンはレギュラーへの足掛かりをつかむ1年となりました。チームの顔としてさらなる活躍を期待されていますが、いまの状況をどのように捉えていますか?

「昨年ある程度の成績が残せたことはよかったなと思う反面、さらに期待に応えていかなくてはいけないという怖さもあります。特に外野手は新加入の選手も含め、レギュラー争いが熾烈です。誰もポジションを確立していないので、ここでしっかりレギュラーをつかみたいと強く思っています」

――昨年途中からは主に一番打者を務めましたが、その経験を経て、今年はどのような準備をしてきましたか?

「まずは試合に出続ける体力が必要だと痛感しました。一番打者は打席が回ってくる回数も多いですし、出塁率の高さが求められるポジションですから、強い体をつくらないと、シーズンの最後まで走りきれません。オフは試合に出続けるための体作りをメインに取り組みました」

――中島選手が考える野球の魅力を教えてください。

「ほかの競技と比べると、試合時間は少し長いですが、攻守交替もはっきりしているので、ご飯を食べたり、お酒を飲みながらゆっくり楽しめるいいスポーツだなと思っています。さらに攻撃側のファンが応援する、というスタイルも分かりやすいですよね。応援ではみんなでいっしょに盛り上がることができるので、あまり野球に詳しくない方も楽しめるのではないでしょうか」

――野球観戦の入り口として、まずは応援を楽しんでほしいということですね?

「そうですね。選手ごとに応援歌もあります。団体競技でここまでひとりの選手が目立つスポーツってあまりないですよね。野球だからこその醍醐味をぜひスタジアムで味わってほしいです」

――楽天グループでは「スポーツとともに、もっといい未来へ」というテーマを掲げています。プロアスリートとしてスポーツの“いい未来”をどのように考えていますか?

「最近は野球人口が減っているという話を聞きます。子どもの頃、僕にとってプロ野球選手はあこがれの存在でした。観戦だけではなく、テレビのバラエティー番組などでもよく目にしていましたし、野球ゲームもしていましたから。小さい頃に思い描いていた選手になったという実感はあまりないのですが、『子どもたちのあこがれとなる存在になりたい』というのがいまの夢。そのためにももっと僕のことを知ってもらいたいです。僕をきっかけに、野球をする子が増えることにつながれば最高ですね」

――プロ野球選手という夢を叶えた中島選手ですが、夢を持つ子どもたちに一番伝えたいことはどんなことでしょうか?

「『夢はあきらめない方がいい』と伝えたいです。僕も子どもの頃からプロ野球選手になりたいと思っていましたが、中学、高校と強豪校にいたため、チームの中では自分以上にうまい選手が多かったんです。実際に同級生が次々とプロへと進む中で『自分には厳しいのではないか』とあきらめかけたこともありました。そうやって自分で可能性を消そうとしてしまっていたんです。でも、いまはこうしてプロ野球選手になれている。可能性がある限りは、あきらめずに夢を持ち続けてほしいです」

――夢に向かって再び努力を続けることができた原動力とは何だったのでしょうか?

「原動力は自分ではなく、周囲の方の言葉でした。青山学院大学の監督とコーチが『「大輔は絶対にプロに行ける』」と言い続けてくれたんです。最初は無理だと思っていたんですが、気がつけば日本代表候補に名前があがるようになり、現実味が増していきました。僕を信じて『プロに行けるよ』と言い続けてくれた方々のおかげでいまの僕があるんです」

――野球界の未来を担う子どもたちのために、中島選手はどんなことをしていきたいと考えていますか?

「子どもの頃の僕もそうだったのですが、地方に住んでいるとプロ野球選手と触れ合う機会はなかなかないですし、道具が足りない、グラウンドの整備が行き届いていないということも多いんです。より多くの子どもたちが野球を楽しめる環境が整っていけばいいなと思いますが、環境を整えるのは簡単なことではないですよね。そのためにまず僕ができるのが野球教室を開催することかなと思っています。楽天イーグルスの一員として各地に行き、子どもたちと触れ合える機会ももっと増やしていきたいですね」

――楽天イーグルスでは昨年に続き、今年も東北6県での主催試合が予定されています。中島選手を知ってもらうためにも、そこで活躍する姿を見せたいですね。

「そうですね。これまであまり野球を見なかった方も、住んでいる町で試合が行われることで、観戦に来るきっかけになるかもしれません。そんな場所で自分自身も活躍したいですし、勝利を届けたいという想いも強いです。勝利をともに喜び合えることが、『また見たい』、『応援したい』という想いにつながると考えています。これからも全力プレーを見せることはもちろん、勝つことにもこだわっていきたいです」

青山学院大4年時には、大学日本代表のキャプテンを務めるなど素晴らしい経歴を持ちながら、多くの支えの中でプロ野球選手の夢を叶えたと話す中島選手は、感謝の気持ちを決して忘れない。結果を残すことで恩返しをしながらも、その活躍を見た子どもたちが次世代のプロ野球選手を目指していくことを願う。夢をあきらめない気持ちをつないでいくことが、プロ野球の“いい未来”をつくっていくことにもつながっていくことだろう。

※この取材は2026年2月の春季キャンプ時に行われたものです。

TEXT:Chiharu Abe
PHOTO:Yuki Nara
EDIT:Yohsuke Watanabe, Satoru Komura (IN FOCUS)

  • 楽天イーグルス
    中島大輔

    2001年6月4日生まれ。和歌山県出身。龍谷大平安高、青山学院大を経て、2023年のドラフト6位で楽天イーグルスに入団。1年目にプロデビューを果たすと、2年目の昨シーズンは124試合に出場し、レギュラーへの足掛かりをつかんだ。2026年は自身初となる開幕スタメン出場を果たし、さらなる飛躍に期待がかかる。

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