1. ホーム
  2. コラム

サッカー特化型のトレーニング施設。そのこだわりと誕生秘話 – Part.2|Vissel Performance Center

サムネイル

先日の記事でもお伝えした通り、2026年3月16日に誕生した「Vissel Performance Center(以下VPC)」は、選手・コーチによるトレーニングの質の向上に早くも貢献している模様。しかしそれは、最高のサッカー特化型トレーニング施設を目指して海外サッカークラブへの視察も行い、約2年をかけてリサーチと検証を重ねてきたチームスタッフの努力があってこそ。そのストーリーを忘れてはいけない。

チーム内でトレーニング施設の刷新が本格的に議題に上がりはじめたのは、2024年1月ごろ。前年にJ1リーグ初制覇を果たし、次なる目標としてアジアの頂点を見据える中で、選手やスタッフから「よりよい練習環境を整える必要がある」という声が高まっていった。選手数の増加によって既存施設は手狭になっており、より広いトレーニングスペースを確保し、効率的に練習へ取り組める環境づくりが急務となっていた。

とはいえ、チーム内にはトレーニング施設をゼロから立ち上げた経験を持つスタッフはいなかったため、何から着手すべきかを探るところからのスタート。コンセプトの策定、施設の敷地確保、協力会社の選定など、検討すべき項目は多岐にわたった。

アジアNo.1クラブを目指すなら、視線は自然と世界へ向かう。今回のVPC新設で大きなヒントになったのが、海外強豪クラブのトレーニング施設だったという。スタッフはヴィッセル神戸と戦略的パートナーシップを結ぶ、イングランドのアストン・ヴィラFCを訪問し、トレーニング全体のコンセプトや建物設計、器具配置まで細かくヒアリング。同クラブの施設内にはミーティングルームや分析室も備えられており、練習中に取得した数値をその場で分析し、すぐに選手へフィードバックできる環境が整っていることを知る。トレーニング、分析、ケアのサイクルを循環させて運用することで、より効率的な強化につなげていたのだった。

さらに、イタリアの名門ユヴェントスFCも訪問し、意見交換も実施。そこで感銘を受けたのは「スペースの重要性」という考え方だった。チーム事情によって将来的にレイアウトを変更する可能性があることに加え、トレーニング施設はリハビリやリカバリーにも活用される。だからこそ、機器を隙間なく詰め込むのではなく、フレキシブルに動かせる配置にし、さまざまな用途に対応できる余白を持たせるべきだというアドバイスは、VPCをつくる上で大きな軸となった。

こうしてワールドスタンダードの視点を取り入れながら、何度も議論を重ねていったスタッフたち。最終的にたどり着いたのは、広大な施設を確保しつつ、あえてスペースに余裕を持たせることで、将来的な変化にも柔軟に対応できる設計だった。たとえばチームの戦術が変われば、必要なトレーニングも大きく変わる。その際に新たな器具を追加しやすいのは大きなメリットとなる。

年月を重ねることで、この空間はどのように変化・進化していくのだろう。

また近年は猛暑や豪雨によって、ピッチでの練習時間を確保しづらい日も増えている。そんな時でも十分な広さがあれば、天候の急変に合わせて屋内でボールを使ったトレーニングへ切り替えることができる。こうした柔軟性は、これから世界で戦っていくうえで強力な武器になりそうだ。

これから世界に挑戦していくチームにとって、あらゆる状況の変化に対応できることは欠かせない。VPCがフレキシブルな設備仕様になっているのは、単なるフィジカル強化のためのジムではなく、「アジアNo.1クラブ」という高い目標を見据えてスタートしたプロジェクトだからこそ。そうして構想を固めた新トレーニング施設は、これまでにないスケールで生まれ変わった。

今後は、チーム内の科学部との連携もさらに強まっていく見込み。トレーニングデータの分析・蓄積をより一層進めていく構想も描かれている。科学部には楽天グループからの出向メンバーも多く、ITやマーケティングの視点を取り入れながらデータ分析を進めているという。日本トップクラスのサッカークラブであるヴィッセル神戸と楽天グループがデータ領域でタッグを組む。その先にどんな相乗効果が生まれるのか、大きな期待がふくらむ。

TEXT : Kodai Wada
PHOTO:Yukiko Noguchi
EDIT:Yohsuke Watanabe, Satoru Komura (IN FOCUS)

Share

Share

おすすめの記事

  • バナー
  • バナー

Choose your language for syncSPORTS by Rakuten

Our services are provided within the region and laws of Japan

We provide translations for your convenience.
The Japanese version of our websites and applications, in which include Rakuten Membership Rules, Privacy Policy or other terms and conditions, is the definitive version , unless otherwise indicated.
If there are any discrepancies, the Japanese version shall prevail. We do not guarantee that we always provide translation. Certain features or messages (including customer services) may not be available in the selected language.​

Read usage guide

syncSPORTS by Rakuten!

当社のサービスは、日本国内において提供されるものであり、地域および法律に基づいています。
当社のウェブサイトおよびアプリケーションの日本語版は、原則として、楽天会員規約、プライバシーポリシーその他の規約を含む、正式なバージョンです。
翻訳は便宜上提供されているものであり、翻訳に相違がある場合は、日本語版が優先されます。
翻訳を常に提供することを保証するものではありません。特定の機能やメッセージ(カスタマーサービスを含む)は、選択した言語では利用できない場合があります。

利用ガイドを読む

人気のタグ

すべてのタグ