楽天モンキーズのチェン・グァンユウがいま思い描いているものとは？「多くの子どもたちが野球を好きになってくれる未来です」

インタビュー

Posted

2025.11.05

かつて千葉ロッテマリーンズや横浜DeNAベイスターズで活躍した“チェンチェン”ことチェン・グァンユウ選手。長年台湾代表として、ワールド・ベースボール・クラシック（WBC）や、WBSCプレミア12に出場してきた彼も、今年で35歳になる。日本と台湾の野球を熟知し、国際大会の経験も豊富である彼が、もっといい未来のために起こしたい行動とは？

——日本と台湾のプロ野球をともに知っているチェン選手に質問です。両国のプロ野球の違いをあげるとしたら、どのような点でしょうか？

「大きく異なるのは環境面です。台湾のスタジアムは日本に比べると小さく、入場できる人が限られています。それに室内球場も少ない。トレーニング環境についても、レベルアップするための改善点は多くあります。ただ、近年は台湾の選手もウェイトトレーニングに重点的に取り組むようになり、パワーの面では差が縮まりつつあるのではないかと思っています。野球文化が浸透しているレベルや、国民性にも違いがあるので一概には言えませんが、進化するためにさまざまな取り組みを行っている段階だと感じます」

——日本のプロ野球で注目しているチームや注目選手はいますか？

「かつて所属していた千葉ロッテマリーンズや横浜DeNAベイスターズはやはり気になります。試合はなるべく観るようにしていますし、自分の試合と重なってしまう場合も、ハイライト映像などでチェックするようにしています。昔のチームメイトが出場していたらメッセージを送ることもありますよ。注目選手をあげるとしたら、佐藤都志也選手（千葉ロッテ）でしょうか」

——国をまたぎ、数々の球団に所属されてきたチェン選手から見て、ずばり楽天モンキーズの魅力とは？

「チームワークのよさです。たとえばバッターなら、なるべく自分が打って活躍したいと考えるものですよね。しかし楽天モンキーズの選手はチームプレーを徹底していて、たとえ自分が犠牲になったとしても、得点や勝利につながるプレーを優先します。選手というのは、コンディションがよいときもあれば悪いときもある。どんな状況であれ、自分のパフォーマンスにかかわらずチームのためにプレーする姿勢が大切なんです」

——チーム内でのコミュニケーションも大事になりますね。

「もちろんです。自分が何を考えているか、仲間がどんなことを思っているのか、みんな本音で話し合えるからこそいい雰囲気が生まれるのだと感じますし、それが楽天モンキーズの強さにつながっています」

——このsyncSPORTS by Rakutenでは、「スポーツとともに、もっといい未来へ。A BETTER FUTURE TOGETHER」というテーマの下で記事をつくっています。チェン選手にとって、「もっといい未来」とはどのようなものですか？

「多くの子どもたちが野球を好きになってくれる未来です。わたしは野球とともに人生を歩んできたからこそ、この魅力や価値を子どもたちに伝えて、多くの子に野球を好きになってほしいと思っています。プロ野球を目指すような子どもが増えてくれたら嬉しいですし、先ほど言ったようなチームプレーの精神を学んで、少しでも成長してくれたらよいですね。そのためにも、子どもたちが野球に興味を持つきっかけをつくりたいですし、台湾のすべての子どもたちに野球を通して希望を与えたいです」

——子どもたちが野球を知る、野球に触れるきっかけをつくるために、必要なこととは？

「現実的なところで言えば、家族や親御さんたちを巻き込むことだと思います。子どもたちだけで球場に来ることは難しいですよね。でも、ご両親といっしょに家族観戦に来てくれて、球場の雰囲気やゲームの面白さに気づいてくれたら、それだけでも野球界にとってはプラスだと思います。『こんな球場でプレーしてみたいな』とか『こんな選手になってみたいな』という想いを持ってくれたら、その子にとって野球の存在が大切なものになる。それが大事なんだと思います」

——どんな取り組みを増やしていくべきでしょうか？

「日本では子どもたちの間に、野球という文化が浸透していますし、プロ野球選手やメジャーリーガーに憧れている人も多い。そんな環境をつくるためにも、球界や球団が協力し合って、たとえば家族を招待する機会をつくったり、選手が子どもたちの元へ訪問することがあったりしてもよいと思います。台湾野球界の未来のために、行動すべきだと思っています」

——最後に、チェン選手自身は現在どのような目標を持たれていますか？

「『チェン選手のようになりたい』と思われるような選手になることです。先ほど言ったように、野球を好きになってもらうためには憧れてもらうことも大事です。昨年、台湾代表はプレミア12で優勝して大きな話題になりました。あの大会を観て希望を抱いてくれた子どもたちもきっといたはずです。わたしももっと活躍して、子どもたちから目標としてもらえるような選手になりたいですね」

2025年11月7日（金）から9日（日）まで台湾・桃園市で開催される「2025桃園アジアプロ野球交流戦」は、楽天モンキーズ（台湾）、KTウィズ（韓国）、そして東北楽天ゴールデンイーグルス（日本）の3球団が激突する国際試合です。
そして、この度、パ・リーグ Specialでは、以下の2試合を中継致します！

11月7日（金）楽天イーグルス vs KTウィズ（韓国）
11月8日（土）楽天イーグルス vs 楽天モンキーズ（台湾）

台湾の地で躍動する選手たちを、ぜひパ・リーグ Specialでお楽しみください！（サイトはこちらから）

INTERVIEW&EDIT：Yohsuke Watanabe (IN FOCUS)
TEXT：Kodai Wada

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