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ヴィッセル神戸を支え続けるベテラン、酒井高徳。「10代、20代の選手たちよりハードワークしている自負がある」

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syncSPORTS by Rakutenでの単独インタビューは約2年ぶり。ヴィッセル神戸の歴史的な躍進を考えると、ずいぶん昔のように感じる。戦い続け、進化し続けた濃密な時間を経て、名実ともに経験豊富なベテランとなった酒井選手は、ここからさらにどんな未来を描き、後輩たちを奮い立たせていくのか?

※この取材は2025年1月の沖縄トレーニングキャンプ時に行われたものです。

——ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ2024年シーズンを振り返ってみて、戦い方の面でどんな難しさがありましたか?

「間違いなく『ヴィッセル神戸対策』は強まりました。ただ、僕らのストロングポイントを消そうとする相手に対して、それをさらに上回る戦い方をシーズンを通して実行できたことで、より力強いサッカーができるようになったと思います。また新加入の選手たちがそれぞれ自分の強みを発揮してくれて、それがチームに幅広いバリエーションをもたらしました。戦術面でチームとして成長できたと思います」

——個人的にあたらしいチャレンジはありましたか?

「毎年、前年よりもよくするためにいろいろなことに取り組んでいます。たとえばうまくいかなかったプレーを振り返って、改善するための練習を多く取り入れたり、肉体改造に取り組んだり。劇的に取り組み方を変えるというよりは、着実に改善を重ねていくようなイメージでした」

——2025年シーズンは、自身にどんな目標を設定していますか?

「数字の改善ですね。特にゴール数とアシスト数。昨年、一昨年と自分が思い描いていた数字は残せていないので、そうした部分でチームに貢献したいと思っています。もちろん常にゴールを狙っていくポジションではないので、守備とのバランスが重要にはなりますが、フィニッシュの精度やペナルティボックス付近に入っていく動きというのはもっと改善していきたいです」

——今シーズン、活躍を期待するチームメイトを教えてください。

「たくさんいるので選べないです(笑)。それくらい期待できる選手ばかりです。強いてひとりに絞るなら大樹(佐々木大樹選手)かな。ここ数年で着実に力をつけてきた選手である一方、本人としてもまだまだ現状には満足していないと思います。並の選手であれば十分なのかもしれませんが、大樹は違う。もっともっと上に行ける選手です。ゴール数でいえば、間違いなく10点以上取れる選手ですし、そのチャンスはあったと思います。ただ、そこに届いていないのは、より突き詰めなければいけないことがあるということ。今年こそやってくれると期待しています」

——今年34歳を迎えますが、ベテランとして若手選手や後輩たちとはどのように接していますか?

「何かを教えるといった意識は持っていなくて、自分のプレーやサッカーに対する姿勢を見て学んでもらえたらいいのかなと思います。アドバイスというよりも、意見を共有するようなコミュニケーションを重視しています。『あのとき、自分はこうする方がよい攻撃に繋がると感じたんだけど、どう思う?』みたいに、ビジョンや意見のすり合わせをすることが多いですね。そういったコミュニケーションを取りやすくする環境づくりは意識しています」

——長く第一線で活躍するための秘訣はありますか?

「本当に基礎的なところで、規則正しい生活リズムで過ごすことや、十分な睡眠、身体のケア、補強運動、食事などですね。誰しも年齢を重ねるものですが、その中でいかに身体が老いることなくプレーできるかが大事だと思います。やはり20代の頃と30代になってからでは身体へのダメージも変わってきたので、より一層気をつけるようになりましたね。一方で、そうしたことに取り組むほど、まだまだ身体は動かせるんだということを実感してもいます。10代、20代の選手たちよりハードワークしている自負があります。この年齢でも毎試合自信を持ってピッチに立てているのは、そうした日々の取り組みあってこそだと感じますね」

——酒井選手はサッカーをはじめたのが少し遅めだったと聞きました。振り返ってみると、どんなサッカー少年でしたか?

「早くから海外でプレーしたいと思っていました。もともと近所にいた幼馴染のお兄ちゃんがボールを蹴っているのを見て、面白そうだなと思ってサッカーをはじめたのですが、それが10歳のときでした。まわりと比べると遅いですよね。もともとサッカーをやっていた子たちと比べるとうまくなかったので、それが悔しくてたくさん練習しました。その頃からとにかく負けず嫌いだったんだと思います。15歳くらいのときにアンダー世代の日本代表に選出されて海外遠征をした際に、外国人選手のレベルの高さに驚いたとともに、『負けたくねえ』って思ったんです。海外を意識するようになったのはそのときからです。それからずっと海外でプレーすることを目指していました。サッカーをはじめてから5年でその意識を持てたのは、自分にとってよかったと思います。大事なのは、何歳でサッカーをはじめたかよりも、『誰にも負けたくない、うまくなりたい』と思って努力し続けることでした」

「もっとうまくなりたい」。長年トップレベルで活躍し続けられるのは、サッカーをはじめたときから変わらないそのひたむきな姿勢があればこそ。酒井選手が走り続けるその先に、きっとヴィッセル神戸の「もっといい未来」が待っている。

EDIT:Yohsuke Watanabe (IN FOCUS)

TEXT : Kodai Wada

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