キング開が憧れのミュージシャンRickie-Gとセッション!バスケ×音楽の豪華対談で見えてくる、意外な共通点とは。
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楽天アスリートマネジメントであるプロバスケットボールプレイヤー、キング開選手にとって、憧れの人との対面は天王山の一戦を迎える瞬間、いや、もしかするとそれ以上の緊張だったかもしれない──。今回は、音楽好きで知られる彼が高校時代から聴き続け、ライブにも足を運んでいるというミュージシャン、Rickie-Gさんとの対談をお届け。2人の共通点を探りながら、スポーツと音楽それぞれを通じて、どんな未来を描いてきたかに触れてみる。
はじまりはマイケル・ジャクソンから
対談開始後、初対面にもかかわらず2人はまるで気の合う仲間のように、すぐに好きな音楽の話で打ち解けた。音楽にハマったきっかけや、どんなジャンルが好みか、互いに気になることを聞きあう中で、とある人物が浮上して大盛り上がり。それはキング・オブ・ポップの異名で広く世に知られる、MJことマイケル・ジャクソンだった。
キング開「2007年にマイケルが来日した際、都内のイベントに登場したんですが、会場裏でいっしょに写真を撮ってもらったんです。そのイベントに自分のお父さんがコーラスとして参加していて。当時の僕はマイケル・ジャクソンという存在を意識できる年齢ではなかったんですが、物心がついた頃にその写真を見返して、本当にすごい経験をさせてもらったんだなと思いました(笑)」
Rickie-G「めちゃくちゃすごい出来事だね!開くんのお父さんはミュージシャンだったのか。音楽的な影響も結構受けている感じ?」
キング開「はい。リッキーさんを前にして恥ずかしいですけど、お父さんといっしょに何度かステージで歌ったこともあったり……。マイケルを知って、ジャクソン5を聴くようになって、そこからクラシックなR&Bやソウル、HIPHOP、レゲエとだんだん広がっていきました」
Rickie-G「そうなんだ。俺も1996年のヒストリー・ワールド・ツアーを東京ドームで観たよ。当時は中学生だった。MJは誰もが必ず一度は通ると言ってもいいほど素晴らしいアーティストだよね。ちなみに一番好きな曲は?」
キング開「『HEAL THE WORLD』が好きです」
Rickie-G「おぉ、マジで!?俺もめっちゃ好きな曲だよ!」
辛かった時期、音楽が支えてくれた
マイケル・ジャクソンの話題ですっかり意気投合した様子の2人。そもそも、キング開選手はRickie-Gさんのライブに何度も行ったことがあるほどのファン。どんなきっかけで、彼の音楽を耳にするようになっただろう。
キング開「高校のチームメイトにレゲエ好きな後輩がいて、リッキーさんの『am08:59』という曲をおすすめされたのがきっかけです。僕が通っていた高校は当時、練習は厳しいし本当にきつかったんですけど、この曲を聴くと辛いことを忘れて、心が穏やかになるのを感じました。湘南エリアにある学校だったのでよく浜辺で聴いたりして。それから、リッキーさんの曲をたくさん聴くようになりました」
Rickie-G「嬉しい!ありがとう」
ーーご本人を前にして選びづらいと思いますが、好きな曲を聞かれたら何を選びますか?
キング開「すごく悩みますね……。でも、選ぶとしたら『逃飛行』です」
Rickie-G「へぇ!でも、どうして?」
キング開「曲そのものも好きですけど、特に“一点見てさあ飛んでけ そこはzion 一心不乱で飛んでけ 西の太陽へ”という歌詞が響いて。ちょうど、バスケがキツいなと感じていた当時の自分の気持ちとリンクするところがあって、この曲を聴くと『よし、がんばろう』と思えるというか。でも、自分はこの曲をライブで一度も聴いたことがないので、ぜひいつか聴きたいです!」
Rickie-G「たしかにあまり歌わない曲だね(笑)」
キング開「逆に、ライブに行くたびに楽しみだったのは『七色のサントラ』です。音源がなくて、ライブでしか聴けなかったじゃないですか?『Roots in Sync』(※Rickie-Gの2ndアルバム)に入ったので、いまはどこでも聴けて僕的には本当に嬉しいです」
いまこの瞬間よりも、もっと良くするために
アスリートとミュージシャン。肩書きこそ違えど、お互いプロ同士。そんな2人に、バスケと音楽で何か近い部分はあるか尋ねてみると、「切り替わり」というキーワードが最初に返ってきた。
Rickie-G「バスケはスポーツのなかでも攻守の切り替えが特に早い競技だと思う。悩んでいる暇なんてなくて、頭の中が常にポジティブな方へフル回転している気がするんだよね。音楽のライブもさ、スポーツみたいに勝敗があるわけではないけど、最後まで何があるかわからないスリリングな面があって。たとえどんなことがあっても目の前にいる人たちを喜ばせたいって感覚が常にあるかな」
キング開「たしかに、プレイヤーにとっても見る側にとっても、切り替えのスピード感はバスケならではの醍醐味ですね。あとポジティブってことで言うと、純粋にバスケも音楽も観る人にポジティブな要素を与えられるところは共通していますよね。自分としては音楽に救われたことがとても大きいので」
Rickie-G「それと、どちらもコミュニケーションは必要だよね。俺の場合はいっしょにライブをするバンドメンバー間で、開君ならチームメイトにちゃんと自分の考えを伝えることがきっと大切だから」
キング開「相手のことを考えた上で、お互いにより良くしていくためのコミュニケーションはすごく大事だと僕も思います」
「自分はこうしたい」。信じる気持ちを大切にする
いまでこそプロとして活動しているキング開選手とRickie-Gさんだが、その道のりは最初から順風満帆なものでは決してなかった。彼らが信じたもの、そして、その未来には何が映っていたのだろう。
Rickie-G「自分としては、レゲエというカテゴリーの中で音楽をやっているつもりは昔もいまもあまりないんだよね。聞いてきたレゲエミュージックの中で特に惹かれた部分って、カバーアレンジがめちゃくちゃ格好よくて、フロントシンガーがダイナミックに歌い上げてるところかなぁというのがあって……。僕は多分、先人から授かったものへの愛とかリスペクトする気持ちが好きなんだと思う。だから、レゲエをやろうと思ってやってきたというより、こういう歌をこんなアレンジで、自分のフロウで歌ってみたいっていう願望の連続がいまを作っている感じかな」
キング開「僕は元々プロ選手になりたいと口にしてきたものの、どこか自信がなくて。でも、高校や大学で本格的なバスケを学んだり、自主的に行ったハードな練習が結果に繋がったことで徐々に自信をつけることができて、プロになる夢が明確なものになりました。そしてプロになったいま、どんな状況でも自分に自信を持ってやり続けることが未来を掴むためにすごく大事なんだと改めて感じます」
Rickie-G「自分がこうしたいっていう気持ちはすごく大事。俺も『ここで歌いたい』って気持ちに従ってライブ場所を決めたりしてるよ。昔、ビリー・ジョエルがインタビューで『どんな場所で歌いたいかを想像して音楽を作るといいよ』みたいな事を言っているのを目にして、まさにそうだなと思った。音楽だけに限らずいろんなものが世には溢れているけど、自分ならどんな雰囲気を作り出せるかを深く考えることや、自分にしかできない役割、得意なことを大切にすることが、もっといい未来に繋がるんじゃないかな」
対談の最後に、キング開選手は高校生の頃からずっと憧れてきたRickie-Gさんへ、自分のサイン入りユニフォームを手渡した。自分を信じて進めば、こんな思いがけない未来に巡りあうことも。いま熱中できることがある人は、2人のようにそれを誇りにして、力強い足取りで未来に向かって歩んでほしい。
PHOTO:Masashi Ura INTERVIEW&TEXT:Keisuke Honda EDIT:Shiori Saeki(IN FOCUS) SPECIAL THANKS:THUMBS UP
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日本・ドイツ・イギリスにルーツを持ち、深く優しい歌詞と歌声、レゲエやサーフミュージックの要素を交えた独自のサウンドで、幅広い層のリスナーを魅了するシンガー。2006年より楽曲リリースを重ね、さまざまな場でライブを精力的に行う。2023 年にリリースしたアルバム『Roots in Sync』では、自身の世界観を余すことなく表現し、レゲエ・オルタナティブジャンルにて 1 位を記録。リリースツアーは全国10都市で開催、各地でソールドアウトを果たす。2024年11月9日に横浜ベイホールで開催される 「DIGGIN’ UP THE ROOTS」への出演も控えている。
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