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鈴木大地が体現する、品性高潔。楽天マインドを宿した選手たち

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楽天グループが掲げる、「大義名分」「品性高潔」「用意周到」「信念不抜」「一致団結」というブランドコンセプト。もしもこの5つを、東北楽天ゴールデンイーグルスの選手に当てはめてみたらどうだろう?不思議と、いや必然的に、しっくりと来るラインナップが見つかった。「品性高潔」は鈴木大地選手に。ベテラン内野手として確固たるキャリアを築きながら、人一倍声を出して仲間を応援するベンチでの姿からは、トップアスリートの気高さ、誇り、誠実さが滲み出る。

楽天グループが掲げる、「大義名分」「品性高潔」「用意周到」「信念不抜」「一致団結」というブランドコンセプト。もしもこの5つを、東北楽天ゴールデンイーグルスの選手に当てはめてみたらどうだろう?不思議と、いや必然的に、しっくりと来るラインナップが見つかった。「品性高潔」は鈴木大地選手に。ベテラン内野手として確固たるキャリアを築きながら、人一倍声を出して仲間を応援するベンチでの姿からは、トップアスリートの気高さ、誇り、誠実さが滲み出る。

かつて在籍していた千葉ロッテマリーンズ、そして東洋大学の頃から、プレースタイルはもとより、発言や振る舞いの真摯さも野球ファンの間で知られていた鈴木選手。勝利という目標を大前提としながら、それを“どのように”実行するかも大切にする。才能や実力があればあるほど、つい自分本位になってしまいがちなもの。彼はいかにして人間性も“プロ”でい続けているのだろう?

「自分で自分のことを品性高潔だとはなかなか思えませんが(笑)、こうやって言ってもらえるのはありがたいことですね。もしも僕がそうであるならと、これまでの人生を振り返ってそのきっかけを考えてみたんです。はっきりと言えるのは、そうした振る舞いはすべて、これまでに出会ってきた人たちから学んだものだということ。

ひとつは、両親の言葉でした。小学校の頃のことです。当時はピッチャーをやりながら、打席は4番か3番。いわゆるチームの中心で、自分が結果を出すことしか考えていませんでした。でもそんなにうまくいくわけもなく。登板しても序盤からボコボコに打たれて点差が開いてしまい、ベンチの端っこで泣いたりふてくされたり、落ち込んでいることもよくありました。

そんな姿を見た両親が僕にこう言ったんです。「打たれて落ち込んでいるのかもしれないけど、そんな時だって友達は一生懸命プレーしているんだから、あなたも元気出しなさい」。その当時は「そんなの分かってるよ!」って思いましたけどね(笑)。成長するにつれ段々と、すごく大事な言葉だったなと気付かされました。チームが勝つためにみんな頑張っているのに、自分が結果を出せなかったことに落ち込んで、応援しないなんてよくない。悔しくても、元気を出す。こうやって言うのは簡単ですけど、つい忘れてしまったり、なかなかうまくできないものなんですよね。プロになったいまも、初心に帰るための大事な言葉として僕の中に残っています。

もうひとつは、プロになってから出会った選手たちの姿でした。12年目を迎える僕が常々実感しているのは、すごい成績を残している選手ほど人間性がしっかりしていて、まわりの人との付き合いを大切にしているということ。プレースタイルはそれぞれ個性的であっても、彼らは共通して「いまの立ち位置や実績が、自分ひとりの力によるものではない」という考えを持っているように感じます。姿勢で示してくれる選手にも、言葉にして伝えてくれる選手にも出会いました。逆に、すごく偉そうな選手もいましたけどね(笑)。

こうした選手たちとの出会いって、何も先輩に限ったことではなくて、後輩から学ぶことも多いんです。いまのイーグルスは有望な若手選手がたくさんいるので、彼らから刺激を受けることもあります。コミュニケーションを通じて「自分もまだまだ負けてられない」と思いますし、逆に「自分がかつて学んだように、己の行動や考えで彼らの心を動かしたい」とも思いますね。さらに言うと、このチームは年齢の違いに限らず、ピッチャーと野手の関係性もすごく近い。2019年に入団した当時、コロナの影響でまだ食事などには行けない状況の中で、それでもこんなに距離が近く、仲の良い関係性を築けることがすごく印象的でした。

僕も今年で34歳、気付けばチーム内でも上から数えた方が早い年齢になりました。いつまで品性高潔でいられるかどうか…(笑)。それでも、このプロ野球の世界にいられることを当たり前なんて思わず、もがきながら、一生懸命プレーして、これからのイーグルスのために何かを残していきたい。それがすべてです」

TEXT: Chiharu Abe

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