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アカデミー出身のルーキー、山内翔が奮闘!生え抜きの台頭、その先にヴィッセル神戸のもっといい未来が待っている

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Jリーグ連覇を狙うため、選手のさらなる強化を進めてきたヴィッセル神戸。昨年から在籍する選手や他クラブからの移籍組はもちろんのこと、新人Jリーガーとしてデビューを果たすルーキーたちにも大きな期待が寄せられる。ヴィッセル神戸アカデミー、筑波大学を経て今季加入した山内翔選手は、第5節のコンサドーレ札幌戦でデビュー。第8節の町田ゼルビア戦では初ゴールもマークした。チームの将来を担う山内選手に、加入後の成長や、アカデミーの後輩・子どもたちへの想いを話してもらった。

——山内選手は2024年から​​ヴィッセル神戸に加入していますが、チームの強さは実感していますか?

試合でも練習でも、求められるプレーの質が高いと思います。それは監督やコーチからだけでなく、チームメイトからも。クオリティの高いプレーについていくことができなければ、このチームでは試合に出られません。そうしたレベルの高さを日々感じています。

——​​​​ご自身の持ち味は、どんなプレーだと思いますか?

シンプルですが、ボールを受けて、パスやドリブルで攻撃のリズムをつくることです。僕はボランチやインサイドハーフと呼ばれる中盤(ミッドフィルダー)のポジションなので、フォワード陣とディフェンダー陣の間に立って試合の流れをつくり、得点につなげるプレーが得意です。

——​​強く影響を受けている選手はいますか?

いろいろな選手から良い影響をもらっていますが、特に大迫勇也選手でしょうか。僕がJ1初ゴールを決めた町田ゼルビア戦の時、大迫選手から「緊張すると思うけど、悔いなくやることが大事」という言葉をもらいました。そのアドバイスがあったからこそ、試合の中で積極的にチャレンジができた。大迫選手からすれば何気ない一言かもしれないのですが、僕にとってはすごく大きかったです。まわりの人たちからもたくさん祝福してもらい、特別な瞬間でしたね。

——​​ヴィッセル神戸の選手層の厚さはリーグ屈指だと思います。そうしたチームの中でこれからもっと試合に出るために、どんな改善・成長が必要だと考えますか?

何かひとつのスキルに絞ることは難しいですね。やはり全体的にレベルアップさせていって、できるプレーの選択肢を増やしていかないといけないです。質の高いプレーを練習から見せていくことが大事だと思います。自分としてはまだまだチーム内で活躍できている実感はないので、一日一日必死になってやっていきたいです。

——山内選手はヴィッセル神戸アカデミーの出身ですが、当時を振り返ってみていかがですか?

中学時代から所属していたのですが、本当に切磋琢磨できる環境でした。かけがえのない友人たちと出会うことができ、身近なライバルの姿を見て「あいつもがんばっているから、俺ももっとがんばらなくちゃ」と思えましたね。

——​​その後に筑波大学へと進学されていますが、大学4年間はどうでしたか?

サッカー選手、そして人としても大きく成長できました。少し情けないのですが、大学に進む前は生意気で、受け答えとかもしっかりできていなかった。筑波大学に入り、尊敬できる先生方、先輩方と出会って、いまのままではいけないと思い、変わることができました。あの4年間があったからこそ、いまの自分があると思っています。

——​​副キャプテンの山川哲史選手もアカデミーから筑波大学に進学し、ヴィッセル神戸へと加入した先輩ですが、昔から交流はあったんですか?

筑波大を選んだ理由のひとつに、間違いなく山川選手の存在があります。彼が大学を卒業した年に僕が入れ替わりで入っているので、当時いっしょにプレーしていたわけではないのですが、僕が高校3年生の時に見学に行った際には、大学やつくばでの暮らしの話などをしてくれました。ヴィッセル神戸に加入してからも「最近、筑波大どう?」と気にかけてくださり、本当に助けていただきました。

——アカデミー出身者の活躍は、いまそこにいる後輩たちにとって大きな希望だと思います。彼らの道をひらくためにも自分ががんばらなくてはと意識することはありますか?

まずは試合で活躍して、目標としてもらえるような選手になりたいですね。僕のプレーを見て、将来アカデミーやヴィッセル神戸に入りたいと憧れる子が増えてくれたら嬉しいです。自分もそうですが、もっとアカデミー出身の選手がチームの中心になっていけば、クラブとして良い状況がつくれるはずです。

——楽天グループは「スポーツとともに、もっといい未来へ。」というスローガンを掲げています。山内選手が思い描く「いい未来」はどんなものですか?

まずはヴィッセル神戸で活躍をすること、それからゆくゆくは海外クラブや日の丸を背負って、さらに上のステージで戦いたいという想いを持っています。また、何となくサッカー選手として生きるのではなくて、自分のプレーでファンの方々に喜んでもらえるように、誰かのためにがんばれるような選手でありたいと思っています。

——将来、プロサッカー選手を志す子どもたちへメッセージをお願いします。

いまの時代は、スマホやSNS、ゲームなど娯楽となるコンテンツで溢れていますし、スポーツができるような場所も減ってきてしまっています。しかし、プロサッカー選手を目指すのであれば、やっぱり多くの時間をサッカーと向き合ってほしい。そうでないとより高いレベルには到達できません。ヴィッセル神戸のまわりの選手たちを見ていても、才能豊かな人たちがものすごい努力をして、ようやく日本のトップに立つことができていると感じます。本気でサッカー選手として上達したいのであれば、たくさんサッカーをすること。それに尽きますね。

ルーキーとして華々しいデビューを飾ったものの、現状には満足していないという山内選手。それはヴィッセル神戸、そして日本サッカー界の未来を担う覚悟の表れなのかもしれない。トップクラスの選手が集うクラブで存在感を放つためには、まだまだ越えなくてはならない壁がいくつもある。しかし近い将来、ヴィッセル神戸の攻撃陣を牽引する選手になってくれるはず。アカデミーの後輩たちのためにも、ピッチで輝く姿をたくさん見せてほしい。

INTERVIEW:Yohsuke Watanabe (IN FOCUS)
TEXT:Kodai Wada

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