スポーツ上達のヒミツは食にある?ヴィッセル神戸の選手たちを料理で支えるアスリートシェフに聞いてみよう
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プロアスリートは日頃からどんな食事をしているか気にならない?ハードなパフォーマンスを可能にする身体づくりのヒミツは、きっと食にある。ヴィッセル神戸の酒井高徳選手や佐々木大樹選手を食事面でサポートしているアスリートシェフのshumaさんに、秘蔵レシピやポイントについて教えてもらった。
DF酒井高徳選手とMF佐々木大樹選手の食事管理に携わる、アスリートシェフshumaさん。食事のサポートを始めてから「試合中に当たり負けしなくなった」「足がつらなくなった」と、選手たちも実感してくれているのだとか。
今回はshumaさんに、選手にも好評で自宅でも真似しやすい3品のレシピを教えてもらった。栄養価も高く、簡単に作れるメニューをチェックしてみよう。憧れの選手に近づくために、まずは食事から真似してみるのも良いのかも。
1品目:ぶりのみぞれ煮
【材料】(1人前) ・ぶり 1切れ ・大根 1/4本 ・生姜 スライス3枚 ・小麦粉 少々 ・スプラウト お好み
調味料(A) ・麺つゆ(4倍濃縮) 大さじ2 ・お酒 大さじ1 ・みりん 大さじ1 ・お水 大さじ1 ・米油 大さじ1 ・ごま油 お好み
【作り方】 (事前準備) ・ぶりはキッチンペーパーで水分を拭き取り、小麦粉をまぶしておく。 ・大根は大根おろしにしておく。
①フライパンに米油をひき、ぶりを焼く。 ②両面に焼き色をつけたら調味料(A)、生姜のスライスを加える。 ③煮立ったら大根おろしを加え弱火で2〜3分煮詰め、仕上げにごま油を回しかける。お皿に盛り付けて、スプラウトをのせたら完成!
◎ポイント ・お肉に負けないボリューム感を出せるぶりをメイン食材に。 ・調味料は麺つゆを使用することで、簡単かつおいしいメニューに。
shuma「大根おろしは消化吸収を助けてくれるのでおすすめです。今回はぶりを使用していますが、他の魚や鶏肉や豚肉などのお肉でもおいしく作ることができます!」
2品目:ポークステーキ オニオンジンジャーソース
【材料】(2人前) ・豚肩ロース(トンカツ用) 2枚 ・玉ねぎ 1個 ・生姜 1/2かけ ・小麦粉 少々 ・スプラウト お好み
調味料(A) ・だし醤油 大さじ2 ・みりん 大さじ2 ・はちみつ 小さじ1 ・オイスターソース 小さじ1 ・お酢 大さじ1/2 ・生姜のすりおろし 1かけ分 ・お酒 大さじ2 ・米油 大さじ1
【作り方】 (事前準備) ・豚肩ロースは筋切りをし、軽く塩を振り、小麦粉をまぶしておく。 ・玉ねぎ、生姜はみじん切りにしておく。
①フライパンに米油をひき、弱火で豚肉を焼く。 ②片面に焼き色がついたらひっくり返しお酒を入れ、蓋をして蒸し焼きにする。 ③豚肉に火が通ったら1度取り出し、ペーパーでフライパンの油を軽く拭き取る。 ④玉ねぎを入れ、軽く塩を振り弱火で炒める。 ⑤調味料(A)、生姜のみじん切りを加え、中火で軽く煮立たせる。 ⑥豚肉を戻し入れ、タレとよく絡める。 ⑦食べやすい大きさにカットし、お皿に盛り、たっぷりとソースをかけ、スプラウトを散らせば完成!
◎ポイント ・豚肉は厚切りを選ぶことでボリューム感アップ。 ・豚肉と玉ねぎの組み合わせは疲労回復に最適!
shuma「生姜を加えてアクセントに。みじん切りにすることで、より風味や食感を味わえます。お酢でさっぱりと仕上がるので暑い夏にも喜ばれるメニューです」
3品目:ビーツと日向夏のバルサミコ和え
【材料】(3〜4人前) ・ビーツの水煮 80g(1袋) ・日向夏 1個 ・ナッツ お好み
調味料(A) ・塩 少々 ・バルサミコ酢 大さじ3 ・日向夏果汁 大さじ1 ・はちみつ 大さじ1 ・グレープシードオイル 大さじ1 ・日向夏の皮 お好み
【作り方】 (事前準備) ・ビーツの水煮は水気を切っておく。 ・日向夏は皮をむき、一口大に切っておく。
①ボウルにビーツの水煮、日向夏を入れ調味料を入れる。 ②食材と調味料をよく和え、お皿に盛り上げに砕いたナッツ、日向夏の皮を振りかければ完成!
◎ポイント ・ビーツの水煮は、鉄分・葉酸・硝酸塩など、アスリートにおいて必要な栄養素を摂取できる食材。 ・そのままサラダにのせたり、はちみつと煮詰めてヨーグルトにのせたり、色々な料理に応用することも。
shuma「ビーツという野菜は馴染みがないかもしれませんが、栄養価も高く選手からも人気の食材。高徳選手の弟さんが経営されている『さかいのびーつ』のビーツを使用しています!」
今回レシピを紹介してくれたshumaさんにも話を聞いた。「海外で選手専属のアスリートシェフを務めることが夢」と語るshumaさんは、どんな想いで食に関わっているのだろう?
――shumaさんが「アスリートシェフ」になったきっかけはありますか?
子どものころから、料理や食事には興味がありました。祖母に手料理を教えてもらったり、魚を一緒に捌いたりと、食材を身近に感じる機会は多かったです。「アスリートシェフ」になった1番のきっかけは、幼馴染である佐々木選手の存在。トップ選手として活躍する彼をサポートしたいと思い、いまの道を選びました。大学時代は日々の自炊を欠かすことなく継続し、料理スキルを身につけましたね。
——shumaさんが料理を提供するときのこだわりやポイントはありますか?
毎日の献立を重複させないことはもちろん、選手一人ひとりのコンディションに考慮した食事作りに気を遣っています。試合前はモチベーションが大切なので、栄養を考慮しつつ好みに合わせたメニューを出すことも心がけていますね。
——アスリートシェフとしてのサポート以外にもさまざまな活動をされていますが、どんな想いを持って発信されていますか。
イベントや食育活動を通して、バランスよく3食きちんと食事を摂る習慣の大切さをお伝えしています。アスリートシェフを目指す学生や、スポーツに励む子どもを持つ親御さんなど、色々な層が参加してくれるんです。アスリートだけではなくスポーツが好きな方にも、アスリート食を通して、心や体の健康につながる食事の楽しみ方を発信していきたいですね。
スポーツを楽しむためには、丈夫な体が大切。バランスの良い食事の習慣化や、食事を楽しむ気持ちを通して、健康的な未来を作っていこう。
shumaさんのInstagramはこちら。
TEXT:Nariko Inoue EDIT:Yohsuke Watanabe, Shiori Saeki (IN FOCUS)
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- shuma
1999年生まれ。島根県浜田市出身。管理栄養士の資格を持ち、2023年から佐々木選手、2024年から酒井選手の食事サポートを行う。Instagram @mogmogram0516 などを通じて献立やレシピを積極的に発信中。