日本と台湾のプロ野球をつなぐ、チェン・グァンユウ選手のいま
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2011年から9年間、日本のプロ野球で活躍していたチェン・グァンユウ選手はいま、母国台湾のプロ野球チーム、楽天モンキーズでプレーしている。今年2月に沖縄県石垣市で開催されたモンキーズと彼の古巣でもある千葉ロッテマリーンズの交流戦にあわせて来日したチェン選手に話を聞いた。所属チーム、日本と台湾のプロ野球の違い、そして愛する家族について。
2011年から9年間、日本のプロ野球で活躍していたチェン・グァンユウ選手はいま、母国台湾のプロ野球チーム、楽天モンキーズでプレーしている。今年2月に沖縄県石垣市で開催されたモンキーズと彼の古巣でもある千葉ロッテマリーンズの交流戦にあわせて来日したチェン選手に話を聞いた。所属チーム、日本と台湾のプロ野球の違い、そして愛する家族について。
ー チェン選手は日本と台湾それぞれのプロ野球やWBCなど、これまで色々なチームを経験されてきました。そうした立場から、2021年から所属する楽天モンキーズはどんな個性を持ったチームだと感じていますか?
これまで経験したどのチームよりも、「みんなで勝つ」という意識が強いですね。「一致団結」という言葉があるでしょう?まさにそれです。プロ野球選手はどうしても「いかに自分が良いプレーをできるか」と、個人の記録にこだわってしまいがちです。しかし楽天モンキーズの仲間は、一人ひとりの活躍が「チームに何をもたらすか」を常に考えているように感じるんです。そのためにみんな腹を割って話し合えている。本当に雰囲気の良いチームだし、僕自身のやりがいにもつながっています。
ー 今回、久しぶりに日本の野球ファンの前でプレーしてみて、いかがでしたか?
まず、今でも自分のことを覚えてくれていたことが嬉しかったです。感謝してもしきれません。横浜DeNAベイスターズの頃から応援してくれているファンもいれば、千葉ロッテマリーンズの頃の僕を覚えてくれているファンもいる。台湾の野球ファンは良くも悪くも“チーム一筋”で応援してくれますが、いくつもチームを渡り歩いてきた僕のような選手を応援し続けてくれる日本の野球ファンの存在はとても温かいものですね。
ー チェン選手を支え続けてくれてきた日本の野球ファンが、楽天モンキーズでの活躍もより応援できるよう、台湾プロ野球ならではの楽しみ方を教えてもらえますか?
日本のプロ野球との違いでもある、2シーズン制を楽しんでほしいです。僕たち選手にとっては、前期のパフォーマンスが悪ければ後期の試合に出場させてもらえないという厳しい面もありますが、だからこそ「試合に出たい」という気持ちから前期も盛り上がるんです。後期は年間王者が決まるわけですからもちろん見逃せません。
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ー チェン選手は、自身のInstagramでも度々家族の写真を投稿されています。家族の存在は、プロ野球選手としての仕事にどんな良い影響を与えてくれていますか?
一番近くで応援し続けてくれているわけですから、本当に良い家族に恵まれたと思います。試合に負けた時でも、家に帰って子どもの顔を見るとほっとでき、その辛さを乗り越えられるということが何度もありました。
ー 子煩悩な“良きパパ”として知られていますが、普段からどんな家族サービスを心がけていますか?
一年のうち10ヶ月は野球にかかり切りになってしまうので、オフの2ヶ月だけは家族のことを最優先にしようと決めています。動物園に行きたいと言われれば動物園へ、旅行に行きたいと言われれば海外でもどこへでも。家族のためになんでもしようと思っています。
ー 子どもたちにも野球に興味を持ってもらいたいと思いますか?
もちろん!絶対いっしょに野球をしたいです。プロ選手になってくれてもいい。その頃には僕はもう引退しているでしょう。それでも子どもたちが野球に興味を持つきっかけを少しでも残せたらといまは強く思っています。それは自分の子どもに限ったことではありません。台湾のすべての子どもたちに野球を通して希望を与えたい。そのために僕はできるだけ長く、彼らが目標としてくれるような選手でい続けなくてはいけないんです。
陳冠宇(チェン・グァンユウ)@kuanyu1029
1990年生まれ、台湾生まれのプロ野球選手。ポジションは投手。大学野球での活躍を経て2011年に横浜DeNAベイスターズでプロデビュー。その後は千葉ロッテマリーンズ、台湾の社会人野球チーム安永鮮物を経て、2021年から楽天モンキーズに所属している。
TEXT: Yohsuke Watanabe (IN FOCUS)