1. ホーム
  2. インタビュー

岩波拓也選手、7年振りのヴィッセル神戸復帰!「他のチームを経験したからこそ、いまの強さがわかる」

サムネイル

ヴィッセル神戸アカデミーからトップチームへと駆け上がり、その後浦和レッズで6シーズンにわたって活躍した岩波拓也選手。今シーズンからヴィッセル神戸に再加入し、Jリーグ連覇、アジアチャンピオンを狙うチームの一員となった。他チームからのオファーを断り、古巣に戻ってきたのには彼なりの理由がある。幼い頃から愛するクラブで再び輝きを放ち、そして子どもたちから目標とされる存在となるために。その顔は決意に満ちていた。

——今シーズンからヴィッセル神戸に移籍してきましたが、ここまでの練習で手応えは感じていますか?

チームのビジョンや戦術への理解を深めている最中ですが、ある程度分かってきたなというふうに感じています。チームメイトとも密にコミュニケーションを取りながら進めているので、充実した練習が積めていると思います。昨シーズンが終了してしばらく公式戦から遠ざかっているので、試合が楽しみです。

——以前所属していたチームと比べて、練習面などで変わったことはありますか?

練習の強度は非常に高くなったと思います。前のチームではここまで激しい練習を行うことはなかったのですが、ヴィッセル神戸はベテラン選手を中心に、練習でも勝負にこだわっている。試合で120%の力を発揮するために、練習から100%の出力で取り組んでいるようなイメージです。毎日試合をしているんじゃないかと思うくらい、身体にも負荷がかかります。だからこそチーム全体のレベルが上がっているのだと感じますね。

——競争が激しいチームの中で、岩波選手が存在感を高めていくために意識的に取り組んでいることを教えてください

昨年Jリーグを優勝していますし、戦術的にも完成度が高いチームなので、ここでレギュラーを獲得するのは簡単なことではありません。それを理解したうえで、チャンスが巡ってきたときに、いかに自分の力を発揮できるかが重要だと思っています。日々の練習もそうですし、チームメイトが出場できないときや、過密日程で選手の入れ替えを行う際など、自分をアピールできる機会は必ず訪れる。そこに向けてしっかりと準備をして結果を出したいです。新加入選手に求められるのは、そうした場面でチームにプラスアルファの力をもたらすことだと考えています。

——昨年は浦和レッズの選手として、ヴィッセル神戸の優勝をご覧になっていたかと思いますが、どのように感じましたか?

ライバルチームにいたわけですから、一人のプレーヤーとしては悔しさもあったのですが、ヴィッセル神戸はチームとして好不調の波が少なく、毎試合で強さを発揮していたので、素晴らしい勝ち方だなと感じていました。特に2022年シーズンのヴィッセルは、残留争いで難しい時期を過ごしていたので、そこからの立て直しという意味でもすごいですよね。なぜここまで強くなれたのか不思議に思っていたのですが、キャンプで練習に加わってみると、その強さの理由がわかります。質の高い練習を継続し、若手・中堅クラスの選手たちがベテランたちに負けじと必死に取り組んでいる。そうやって能力や意識が自然と高まり、優勝につながったんだなと思いました。

——そんなヴィッセル神戸に加わり、今シーズンはどのような活躍を思い描いていますか?

Jリーグやカップ戦ももちろんですが、今年はアジアチャンピオンズリーグ(ACL)があります。世界の舞台で戦いたいと思ってヴィッセル神戸に戻ってきたので、国内戦のみならず、ACLでも活躍したいですし、チームとしては優勝を目指しています。それを成し遂げるだけの力があると思っています。このチームをアジアや世界で通用するクラブにすべく、貢献していきたいです。

——岩波選手はヴィッセル神戸アカデミー出身ですが、子どもたちにサッカーやヴィッセル神戸を好きになってもらうためには、どんなことが必要だと思いますか?

僕が小学生だった頃、学校にヴィッセル神戸の選手が来てくれたり、逆に僕がチームの練習場に行ったりして、選手と触れ合う機会がありました。そうした交流は大切だと思いますね。サポーター席に何度も足を運んで応援しましたよ。幼少期からサッカー選手への憧れを抱いていた一人なので、今度は僕が、子どもたちから憧れてもらえるようにがんばりたい。一度チームを離れてはいますが、やはりヴィッセル神戸は僕にとって特別な存在。目標にしてもらえるような選手になりたいですね。

——そんな岩波選手が考える、サッカーの面白さとは?

90分間試合は動き続けますし、終了の笛が鳴るまでどちらが勝つかわからない。常にハラハラドキドキできるのが魅力です。またコンタクトスポーツなのでケガのリスクはありますが、激しいぶつかり合いも面白いですよね。実は僕、野球が好きでよく球場に観戦に行くんです。野球の面白さも分かるからこそ、サッカーも負けてられない。もっと注目してもらえるようがんばります。

かつて一度はヴィッセル神戸を離れ、他チームを経験して戻ってきたからこそ感じる、古巣のすごさ。岩波選手はそのレベルの高さに驚きを感じながらも、Jリーグ連覇、ACL優勝を目指すチームの一員として、レギュラーの座を虎視眈々と狙っている。ヴィッセル神戸ファンだったサッカー少年が、再び神戸の地で躍動しようとしている。

INTERVIEW : Yohsuke Watanabe (IN FOCUS)
TEXT : Kodai Wada

Share

おすすめの記事