Let’s Get サステナブル!楽天イーグルスのサステナブルデーは、一人ひとりが能動的に楽しめる「見て・触って・体験して」な工夫がいっぱい
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楽天イーグルスが掲げる環境・社会・地域の3つのテーマを軸とした社会課題解決への取り組みとして、6月30日に本拠地の楽天モバイルパーク宮城で開催されたサステナブルデー。東北を冠に掲げる唯一のプロ野球チームとして持続的な存在であり続けたいという球団の想いが共感の輪を広げ、地元企業の協力のもと、今年で3回目の開催を迎えた。
今回のサステナブルデーのテーマは「Let’s Get サステナブル」。スタジアムを訪れたファンがサステナビリティについて学び、考える機会を得られるよう「見て・触って・体験して」楽しく学ぶことのできるプログラムが企画された。
中でも反響の声が大きかった取り組みが、ファンから募った「サステナブル大賞」の展示コーナー。川柳とイラストの2部門で事前にサステナブルをテーマにした作品の応募を募り、大賞作品に選ばれた人は、当日の始球式やスターティングファミリーへ参加できるという豪華なプレゼントが用意された。
何千着ものユニフォームが積み上げられた「ユニフォームリサイクルプロジェクト」のコーナーも目を引いた。不要になった2005年~2023年の楽天イーグルスユニフォームをファンから回収し、新たな価値ある製品へと生まれ変わらせる取り組み。会場では、多くのファンが思い出の詰まったユニフォームを次々に持ち寄る姿が見られた。
今年は、家庭で使い切れない未使用食品を回収する「フードドライブ」に加えて、絵本やぬいぐるみなど家庭にあるおもちゃを回収する「トイドライブ」もはじめて実施された。社会貢献と資源の再分配を叶えるべく、回収した食品やおもちゃは、支援を必要とする家庭や施設に寄贈される予定になっている。
仙台市内の障がい福祉サービス事業所が手作りした製品を販売する「ふれあい製品マルシェ」も賑わいを見せていた。複数のブースで手作りの雑貨や食品などが販売され、来場者は温かみのある製品を手に入れることができた。
また、片手キャッチボールや車椅子バッティングを体験できる「パラスポ仙台in楽天モバイルパーク宮城」も開催。多くの来場者がパラスポーツの面白さ・難しさに触れる機会となった。
子連れの来場者には「サステナブルワークショップ」が人気を集めた。地元団体の協力で、ごみを回収するパッカー車の乗車やごみの積み込み体験、間伐材を使用した「石巻こけし」の絵付け体験といった、子どもを夢中にさせるプログラムが登場した。
試合中に折れてしまったバットを生まれ変わらせた、アップサイクルのこけしの展示も。参加した子どもたちは、工夫の凝らされたワークショップを通じて、日常のサステナブルな行動について楽しく学べたようだった。
新たな試みとして、スタジアム内では「インクルーシブ野球観戦」と題したプログラムも実施。すべての子どもたちが安心して試合観戦を楽しめるようにと特定非営利活動法人AYAと共同で企画したもので、障がいや医療的ケアが必要な子どもとその家族を対象に、特別な招待枠が設けられた。
楽天野球団スタジアム部の部長であり、サステナブル推進プロジェクトのリーダーを務める山縣大介さんは、「球団が取り組むサステナブルデーの意義」を語る。
3回目の開催にあたっては「環境以外に、楽天イーグルスが掲げる3つのテーマである地域、社会の取り組みや発信を意識した。また選手にはサステナブル大賞の川柳を紹介する動画撮影等イベント告知に協力してもらい、発信力を強化することができたことも3回目となった今年の変化だ」と、球団内でのプロジェクトの浸透に一定の手応えを得ているという。
そして「サステナブルデーを通じて、選手やスタッフはもちろん、ファンや地域の皆さんがサステナブルに対する意識の醸成を推進することで、また新たな取り組みが検討できるのではないか」と、さらなる発展にも意欲を示した。
楽天グループは「スポーツとともに、もっといい未来へ。A BETTER FUTURE TOGETHER」というスローガンを掲げている。すべての人がスポーツを自分らしく楽しめる社会、スポーツが世の中を豊かにする存在であり続ける未来を目指すという志にリンクしていると感じさせられた今回のサステナブルデー。
環境、社会、地域といった多岐にわたるテーマを、野球というスポーツを通じて楽しみながら学び、考える機会を提供したいーー。持続可能な世界の実現と多様性を認め合える社会の構築に向けて、スポーツができることを見つけ、実践していくという球団に宿る理念が、楽天イーグルスのサステナブルデーには色濃く反映されていた。
TEXT:Nariko Inoue EDIT:Yohsuke Watanabe, Shiori Saeki (IN FOCUS)