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再び楽天イーグルス1軍監督に戻ってきた三木肇。常勝チームになるための土台づくりが、ここからはじまる。

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2019年に2軍監督、2020年に1軍監督、2021年に再び2軍監督を務めた後、2025年から再び1軍監督へ。三木肇監督は、近年の楽天イーグルスを誰より熟知する人。「必要なのは、しっかりとした土台です」。チームの“もっといい未来”へ向かって、ここから一歩一歩進んでいく。

※この取材は2025年2月の春季キャンプ時に行いました。

――楽天イーグルスに関わって今年で7年目ですが、あらためてこの球団にどんな印象をお持ちですか?

「選手、コーチ、球団職員だけでなく、楽天グループの方々と接する機会も多いのですが、みんなエネルギーがあって、チャレンジ精神にあふれている印象が強いですね。辛いことや難しいこともあるとは思いますが、楽しく仕事をしているイメージがありますし、先を見据えて取り組んでいることが伝わってきます。チームの中にいて感じるのは、本当に温かいファンが多いということ。厳しい冬を耐え抜く東北地方の土地柄もあるのでしょうか、みなさん辛抱強いですよね。僕らもシーズンを戦う上で我慢することが多いのですが、いっしょに耐えながら支えてくださる人たちがいるというのはすごく心強いなと感じています」

――監督として、楽天イーグルスにどんな未来を想像しますか?

「プロ野球の歴史に比べれば楽天イーグルスはまだ若いチーム。ですが球界再編の折に、楽天イーグルスが参入したことで野球界がより盛り上がったと感じています。それは球団が多くのチャレンジをしているからでもあるのかなと。たとえば球場に観覧車を作ったり屋外での天然芝を採用していたり。だからこそ、この先、2年後3年後はもちろん、30、40、50年先を見据えて1年1年チャレンジしながらさらにいい球団になっていってほしいですね。セーフティに進めるよりも、いろんな可能性を探ってチャレンジしていくことが、チームにとって大事なことだと思っています。もちろんそれは僕もそうですし、選手たちにも求めていきたい部分です」

――2025年は「キ!~“基”本を大事に、“気”合を入れて、東北に歓“喜”を!~」というスローガンでスタートしました。監督就任会見では「凡事徹底(当たり前のことでも気を抜かずにやり切ること)」を口にされていましたが、どういったチームを理想として今シーズンに臨まれるつもりですか?

「わたしたちは職業として野球をしていますから、ファンの方々はもちろん、野球に詳しくない方々も、そして子どもたちにも野球を通じて感動、希望、勇気を届けていきたいと思っています。そうしていくことがひとつの義務であり、求められていることだと。楽天イーグルスのファンに限らず、全国の野球ファンにまで届けることが大事だと思っています」

――勝ち負けだけではない部分も重要になる、と。

「もちろん勝利を届けることも大きな名分にはなります。ですが、その戦い方も求められている。たとえば、だらだら戦って勝っても感動は生まれない。やはり真剣勝負をする中で、その姿、トップレベルの技術やプレーを見せることが大事になると考えています。試合中に限らず楽天イーグルスの選手たちは動きがキビキビしているなと、試合前の練習や攻守交替のときにも学びがあったり、何かを感じたりできるようなチームでありたい。そのためにはやはり基礎、規律を大事にしていかなければいけません」

――高い意識でプレーすることが選手たちにも求められていきますね。

「すぐにすべてができなくても、そういった意識を持ってプレーすることが大事になると考えています。その上で『キ!』というスローガンにもあるように、みなさんといっしょに勝利を喜び合って、もう一度東北に歓“喜”をもたらすことが僕たちの目標。そこを目指してしっかり進めていきたいですね」

――三木監督が目指す「勝てるチーム」とは?

「『この試合に勝てた』『この試合でいいプレーができた』というのはプロの世界では通用しませんし、それでは勝ち続けられません。必要なのは、しっかりとした土台です。劣勢のときに耐える力、辛抱強さが非常に大きなポイントになると考えています。たとえば、いい選手は調子が悪いときにも大きく成績を落とさないのでアベレージが高い。強いチームを作る上では、よくないときこそ、よくないなりにできることがたくさんあることが大事だと思っています」

――悪いときに何ができるのか、その幅の広さや層の厚さが大事になっていくのですね。それが辛抱強さにもつながっていく、と。

「チームが困難に直面したときにガクンと落ちずに耐えられること、選手たちがさまざまな壁にぶつかったときに辛抱強く努力し続けられる力が求められていく。仙台に本拠地を置いていますから、多くの困難を乗り越えてきている東北の方々の強い心、辛抱強さがチーム全体に浸透していってほしい。選手一人ひとりにその強さが備わっていくことで、しっかりとした土台ができ、強いチームになっていくはずです」

三木監督が理想とするのは楽天グループが培うチャレンジ精神と、東北の人々の辛抱強さを兼ね備えたチーム。指揮官の言葉からは目先の勝利だけではなく、未来のチームを見据えた取り組みが感じられた。“常勝チーム”への土台を作る1年がいよいよはじまった。

TEXT:Chiharu Abe
PHOTO:Yuki Nara
EDIT:Yohsuke Watanabe(IN FOCUS)

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