楽天イーグルスのホーム戦でお馴染み、人気売子のあみさんが卒業!? スポーツ観戦の熱狂を支える人たちはどんなことを考えてる?
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スポーツ観戦の醍醐味はもちろん応援するチームや選手の活躍だけど、その熱狂を支えてくれている人たちのことを忘れてはいけない。スタジアム売子としてドリンクを届けてくれるあみさんもそんなひとり。試合に夢中になれるのは彼女たちのホスピタリティがあってこそ。惜しくも2024年シーズンをもって卒業してしまった彼女に、最後に話を聞かせてもらった。
あみさんは、楽天イーグルスのファンにとってはちょっとした有名人。球団の本拠地である楽天モバイルパーク宮城で、スタジアム売子としてサントリー ザ・プレミアム・モルツの月間売上で2年連続No.1を達成し、歴代の日間売上を塗り替えた記録を持っている。彼女はどんな思いでドリンクを届けてくれていたのか。
——楽天イーグルスのスタジアム売子をはじめたきっかけを教えてください。
わたしは岩手県出身なのですが、家族が野球一家で、幼いころから楽天モバイルパーク宮城によく来ていました。そのとき売子さんのキラキラした姿を見て「大きくなったらこんな風になりたいな」と思ったことがきっかけです。大学入学と同時に、夢だったスタジアム売子のお仕事をはじめました。
——4年間を振り返って、どんなことが印象に残っていますか?
大学2年生のころに立てた「サントリー ザ・プレミアム・モルツの月間売上No.1を2年連続でとる」、「サントリー ザ・プレミアム・モルツの歴代1位である、日間売上300杯という記録を塗り替える」、「始球式に出る」という目標をすべて達成できたことです。歴代1位の記録は今年8月に達成し、「売子Night」というイベントのセレモニアルピッチでマウンドに立ち、ボールを投げることもできました。長期的な目標を立て達成できたことで、自分にもがんばる力、夢を叶える力があるんだと思えました。
——素晴らしいですね!売上No.1を継続して達成されたあみさんが、接客時に意識していたポイントを教えてください。
みんなと同じことをやっているだけではダメだと思い、わたしから買いたいと思ってもらえるような接客方法を探しました。まずは常連さんや知ってくれている人を増やし、信頼関係を築くところから。出身や好きなことを聞いたり、共通点を探したり、自分のことを覚えてもらえるような会話を意識しました。また、全員に同じ接客をするのではなく、お客様によって話し方を変えることも大切にしていました。話したときに感じた性格や、試合状況に合わせた接客をするのもポイントかなと思います。
――来場者とのやりとりの中で、特に思い出に残っているエピソードを教えてください。
ご家族に接客していたとき、小さな女の子に「将来あみちゃんみたいな売子さんになりたい」と言ってもらえたこと。わたしが子どものころ憧れた売子さんのように、憧れてもらえる存在になれたことが嬉しかったです。
――大学生活との両立など、大変なことも多かったと思います。そのときにがんばれた理由はありますか?
売子をはじめた当初は、コロナの時期でメンバーの出勤人数に制限があり、思うように出勤ができなくて。だからこそ、いま毎日出勤できていることが当たり前じゃないな、ありがたいことだなと実感しています。 また、同期やメンバーの存在、お客様からもらう言葉にもたくさん支えられました。売子のお仕事があるからこそ学業もがんばれましたし、自信をつけることもできたと思います。
――あみさんのような「愛される売子」になるために必要なのはどんなことだと思いますか?
どんなときも笑顔でいることと、自分らしさを活かした接客方法を探すこと。そして1番大切なことは、売子さんというお仕事を楽しむことだと思います!
――楽天モバイルパーク宮城の好きなポイントを教えてください。
遊園地みたいなスタジアムが特徴的だなと思います。わたし自身も小さなころは、野球を観る場所としてよりテーマパークとして遊びに行くような気持ちでスタジアムに来ていました。野球に詳しくない方や、家族連れでも楽しめるスタジアムであることが、魅力のひとつです。あとはスタジアムグルメが美味しいこと。わたしのおすすめは、伊藤裕季也投手のプロデュースメニューであるサムギョプサル丼です。ピリ辛で美味しく、ドリンクにも合うのでぜひ食べてみて欲しいです!
――楽天イーグルスは、どんな魅力を持ったチームだと感じますか?
本当にあたたかなチームです。地元密着で、お客様もみんなチームに対しての愛が強いなって。東北のみんなでがんばろうという気持ちが伝わってくるんです。皆さまのあたたかな応援のおかげで、4年間楽しく活動することができました。楽天イーグルスの売子として、このスタジアムで働けたことは、わたしの人生の誇りです。いままで本当にありがとうございました!
あみさんの卒業は寂しいけれど、彼女の情熱はきっと後輩たちに受け継がれている。来年の楽天モバイルパーク宮城で、「未来のNo.1」に出会えるのがいまから待ち遠しい。
INTERVIEW&TEXT:Shiori Saeki (IN FOCUS) PHOTO:Hayato Kubota EDIT:Yohsuke Watanabe (IN FOCUS)