高まるバスケ人気を追い風にして。「大学バスケ」の祭典も着実にアツさを増している|World University Basketball Series
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若手有力選手たちの台頭に、国内リーグへの高い注目度など、日本国内でのバスケ人気はますます盛り上がってきている。そんな中、大学バスケにスポットを当てた世界大学バスケットボール選手権「Sun Chlorella presents World University Basketball Series(WUBS)」という大会があるのをご存知だろうか。今年で開催3度目を迎えたWUBSから3名の中心人物を招き、その動向に迫るべくインタビューを実施した。
まずはじめに、大学バスケには「インカレ」と呼ばれる大学日本一を決める選手権大会がある。多くの学生たちはこの大会に出場して、結果を残すことをひとつの目標に掲げている。インカレは高校野球でいう「甲子園」と思ってもらうと、力の入れ具合がより伝わるだろう。そんな中、開催3度目となるWUBSは、数ある学生の大舞台のなかで歴史こそ浅いが、大学バスケの「世界一」を決める国際大会として年々注目度を高めている。
学生が生み出す純粋なドラマの終着地
――単刀直入にお聞きしますが、大学バスケの面白さはどこにあるのでしょうか?
松藤貴秋(以下、松藤)「学生生活のラスト、という意識を強く感じられるところです。大学卒業後、オフィシャルにバスケをする場合は社会人もしくはプロチームに入って仕事としてやるわけですから、そういった瀬戸際が垣間見えるのは大学バスケならではのエキサイティングな点だと感じています」。
――高校バスケとはまた違う感情が混ざってくるわけですね。
松藤「そうですね。あと、高校バスケが顧問やコーチ主導だとしたら、大学バスケは学生主導な面が強いんです。選手一人ひとりにはストーリーがあって、例えば高校時代に有名なプレーヤー、逆に無名だったプレーヤーが学生生活を締めくくる上でどんな輝きを見せてくれるのかなどを追うと、さらに楽しめると思います」。
――松本さんはWUBSを運営する中心人物ですが、元々バスケがお好きだったんですか?
松本夢人(以下、松本)「実はわたし自身、バスケにそこまで詳しいわけではなかったんです。WUBSを通じて大学バスケのレベルの高さを知り、学生特有の泥臭い面と感動が混ざった“最後の青春”を目の当たりにしました。ただ、大学バスケは多くの人にとってまだまだ知られていない存在というのが現状で、実際に観てもらえたらわたしと同じようにファンになる人が増えるはずだという思いで大会運営を続けています」。
――大学バスケが人の目に触れる機会はそう多くない?
松藤「私的な感覚ですが、バスケに限らず大学スポーツというのは、ウインターカップや甲子園、冬の国立、花園と呼ばれる一般的に馴染みのある高校生時期の大会と比較して露出の機会が少ないように感じます。大学バスケ業界に身を置くひとりとして、そのギャップに正直もどかしさもあったので、WUBSのような国際大会が誕生したのはとても嬉しかったですね」。
――鈴木さんはJUBF学生委員長として大会運営に携わっていますが、WUBSに参加してどんなことを感じますか?
鈴木快風(以下、鈴木)「第1回大会から参加させていただいていますが、徐々に増えていく観客数、パワーアップしていく演出に我々役員も常に心を踊らせています。WUBSという国際的な大会に運営として参加できたことで、ハイレベルな試合はもちろん、普段の大会運営では味わえない会場演出や音響設備はとても刺激的かつ新たな体験で、学生自体が楽しんで取り組めていることを実感しています」。
――学生にとって貴重な体験ができる場なんですね。
鈴木「はい。運営、と聞くとどうしても“重労働で大変な仕事”というマイナスイメージを抱く学生も少なくありません。実際、年間で何回もあるリーグ戦期間などは朝8時に会場入りして、試合が終わってから事務所に戻り次の日の準備をするので、帰りが終電間際になってしまうこともあります。ですが、WUBSではそういったことがないので学生たちはとても喜んでいます(笑)」。
松本「ありがたい話ですね(笑)。WUBSで大切にしているポイントはいくつかあるんですが、その価値観のひとつに“広がり”があります。関わっている学生たちの成長ツールとして機能させていく必要がありますし、各国の大学にしても海外チームと交流することによって国際的な視野をさらに広げていってもらう場にしていきたいので。また選手以外にも、ハーフタイムのイベント出演などで普段はバスケに関わっていない人ともつながっていくことで、大会の活性化はもとより、参加者にとって面白い体験に変換していけるのではないかと考えています」。
――そういった裏側も大学バスケならではの魅力として伝わっていくといいですよね。
松藤「松本さんが話された“広がり”というのは、まさにJBAが大切にしている価値観でもあります。実際、WUBSに出場した海外チームのコーチたちから大会を賞賛する声がたくさん届いていて、国際大会という舞台だからこそ学生たちの成長はもちろん、観客にとっても国ごとに異なるチームの特性や、バスケ大国であるアメリカやヨーロッパなど海外勢のバスケと日本のバスケに思ったほど差がないこと、一方で台湾を筆頭にアジア勢のチームの強さなどに触れることができると思います。また、選手たちにとってもWUBSで活躍することでプロリーグから声がかかるというのがこれからもっと増えていくと思いますし、インカレとはまた別の“憧れの舞台”になることが期待できる大会だと感じています」。
松本「国内外で着実に広まってきて本当に嬉しい限りです。我々はWUBSという舞台を、実験場のように捉えているところもあって。JUBFには歴史があるがゆえに守るべき型が当然あるので、WUBSという自由な発想が試せる場をうまく活用しながら、連盟や学生、スポンサー、観客といった参加者全員が心から楽しめるイベントの実現に向けて、これからも取り組んでいきたいと思います」。
国内外問わず着実に増えている、WUBSに期待を寄せるバスケ関係者やファンのために。出場チームの増枠や大会自体の認知、集客の向上など課題もたくさんあるが、今後WUBSをきっかけに飛躍する学生がさらに増加すれば、この大会がいま以上に注目を集める日もそう遠くないはず。明るい未来に向けて、バスケに夢と希望を抱く若者たちが活躍する姿をともに応援しよう。
PHOTO:Souta Motonaga INTERVIEW&TEXT:Keisuke Honda EDIT:Yohsuke Watanabe(IN FOCUS)
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2024年で開催3回目となる世界大学バスケットボール選手権「Sun Chlorella presents World University Basketball Series(WUBS)」。Rakuten Sports(IPCB事業部)は運営協力として、JUBF主催のもと、大会の運営のみならず営業からチームアレンジなどを通じて、「大学バスケをエンパワーメントする」ミッションを推進している。