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スター選手という、強烈な個をいかに束ねるか?吉田孝行監督が、その答えを知っている。

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Jリーグの頂点、そしてアジア制覇を目標とするヴィッセル神戸には、スペイン代表で活躍したイニエスタ選手をはじめ、海外チームや日本代表を経験している大迫勇也選手、酒井高徳選手、山口蛍選手らが所属している。そんなスター選手揃いのチームをけん引する吉田孝行監督に、勝利に向けチーム一丸で戦うための考えや方法論を話してもらった。さまざまな経験や考え方を持った強烈な個を束ねるって、きっと大変ですよね…?

Jリーグの頂点、そしてアジア制覇を目標とするヴィッセル神戸には、スペイン代表で活躍したイニエスタ選手をはじめ、海外チームや日本代表を経験している大迫勇也選手、酒井高徳選手、山口蛍選手らが所属している。そんなスター選手揃いのチームをけん引する吉田孝行監督に、勝利に向けチーム一丸で戦うための考えや方法論を話してもらった。さまざまな経験や考え方を持った強烈な個を束ねるって、きっと大変ですよね…?

ー 監督は2022年シーズンの手ごたえとして「団結力」を深めることができたと振り返りました。選手たちにはどういった変化が見られたのでしょうか。

1試合勝つためには全員が戦術を理解し、全員で準備することが重要になります。そのためには試合に出ている、出ていないにかかわらず自らの役割を理解し行動する力が求められます。そういった考えをチームに浸透させることができたことは大きな収穫でした。

ー どんな職業や仕事にも共通することだと思いますが、戦術理解を深める、または全員に考えを一致させることは簡単ではありません。そのために吉田監督が心掛けていることとは。

要点を絞っていかにシンプルに短い時間で伝えるか、ということを意識しています。一気に詰め込みすぎてもすべてを理解してもらうことは難しい。言いたいことはたくさんありますが、それらを削って削って、どうやって短くしていくか。ミーティングの準備をする上では削る作業のほうが多いかもしれないですね。

ー それぞれが経験してきたこと、そして一人ひとり考えも違います。特に今のヴィッセル神戸は海外でのプレー経験を持つ選手も多く、とても個性豊かなチームです。そこが強みである一方で考えを一致させる難しさもあると思いますが、それぞれの個をひとつにまとめるには何が必要になるのでしょうか。

それはずばり納得感ですね。方向性を決めたらそこに向かって納得して進んでいくことが重要です。そのためには対戦相手をしっかり分析し、なぜそうするのかという根拠を示す必要があります。特に重視するのはチームの中心選手やベテラン選手に納得してもらうこと。そういった選手に伝われば若手にも伝えてくれますし、彼らが方向性を示しチームをけん引してくれます。

ー チームの中心選手になる人は監督の考えを自分の中で解釈し、人に伝えられる能力が備わっていなければいけない、と。

そうですね。やはり世界を経験してきた一流と呼ばれるプレーヤーは戦術理解が高い選手が多いのでチームにいると助かりますね。またそういった選手はチームメート、対戦相手、スタッフや監督に対するリスペクトもあります。

ー ただ、チームの戦術を理解してプレーすることと個性を生かすことの両立は難しそうです。

もちろん組織として個を消してもいけないと思っています。サッカーではポジションやシステム、配置によって役割や特徴が変わりますが、その中でチームとしてのバランスを取りながら彼らの個性や能力を最大限に引き出せるように、ということは常に考えていますね。

ー 優勝に向けてのチーム作りについて聞けたところで、今後のヴィッセル神戸についても聞かせてください。吉田監督はどういったチームにしていきたいとビジョンを描いているのでしょうか。

やはりベースは“戦う”姿を見せていきたい。攻守にアグレッシブなプレーをすることで見ていて面白いなと思ってもらえるようなサッカー。やはり選手一人ひとりが激しく戦っている姿が、見ている人に感動を与えられると思いますから。その中でも特に、どれだけゴール前でチャンスを作れるか、いかに相手のペナルティーエリアに侵入する場面を増やしていくことができるのかも必要になってくると考えています。

ー 得点につながるプレーが一番の見所になる。

やはりサッカーはゴールを入れるスポーツですから。歓声はもちろん、結果的にそれがため息になってしまったとしても、見ている人をワクワクさせるようなシーンをたくさん見せられるチームが理想ですね。

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